第百二十七話 お金の価値その十五
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「馬鹿じゃないとね」
「思わないわよね」
「世の中馬鹿もいるのね」
富美子は心から思った。
「それで私もね」
「富美子ちゃんも?」
「だってお金なかったらって」
その様にというのだ。
「思ったから」
「同じなの」
「そうした人達とね」
「只ふと思っただけでしょ」
「ならいいの」
「いつもそう考えていて」
金がない社会がいいとだ。
「法律も否定してるとかならね」
「駄目なのね」
「誰だってむしゃくしゃして」
そうしてというのだ。
「こんなのなくなれって思う時あるから」
「そうした場合はいいの」
「けれどいつも考えていて」
そうであってというのだ。
「法律とかもなかったらいいとか」
「アナーキズムね」
「そうなったらどうなるかを」
それをというのだ。
「考えられないなら」
「どうにもならないわね」
「馬鹿よね」
「本当にね」
一華は口をへの字にさせ眉を顰めさせて話した。
「お金もだけれど法律なかったら」
「悪い奴がやりたい放題でね」
「まさに世紀末よ」
富美子に言い切った。
「もうね」
「文字通りのね」
「モヒカンが暴れ回る」
「そんな世界で」
「今お話してるね」
「ふざけた世界になって」
そうなってとだ、富美子も言った。
「そうした馬鹿こそね」
「真っ先に殺されるわね」
「ええ、それでそんな馬鹿こそね」
法律がない社会がどういった代物でそこに暮らすとどうなるか想像も出来ないまでに愚かな輩はというのだ。
「それで命乞いもね」
「するわね」
「自分だけ助かろうって」
「泣き喚いてね」
「家族も友達も盾にして」
「自分だけね」
「どうせ勇気も知恵もないし」
そうした輩にはというのだ。
「自分以外の人のことを考える頭もね」
「なくてね」
「それでね」
そうであってというのだ。
「自分だけ助けてくれ皆殺してくれてもとかね」
「醜いこと言って」
「それで生きようとするわね」
「だからね」
そうした輩だからというのだ。
「付き合ったら駄目ね」
「法律ある世界でも危ない時あるけれど」
「自分が危なくなったらそうするわよ」
「絶対にね」
「そんな馬鹿は友達にも持たない」
「そうしないとね」
こうした話もしてだった。
五人は運動会の時間を過ごしていった、競技はさらに続いていた。
第百二十七話 完
2024・3・23
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