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SAO─戦士達の物語
MR編
百六十一話 王墓の闇を超えて
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なったの?」
首をかしげて聞いた直葉に、和人は肩をすくめて答えた。

「そのあとは比較的普通のクエストって感じだったな、魔法陣はちゃんと出口に通じてて、エンカウントは一回もなし、それで例の砂漠のNPCのところに戻ってシリカがボスドロで手に入れた刃の黒い短剣を渡したら、その短剣とNPCがいきなり強めに光ってさ、目をかばってる間に……」
「NPCの男の子は消えちゃってた?」
「そういうこと、後にはきれいな白刃に漂白された短剣が地面に突き刺さっていましたとさ。おしまい」
ちゃんちゃんと言いながら肩をすくめる和人に、むう、とやや不満そうに直葉はうなる。

「なんか、釈然としないなぁ……ダンジョンの中でフラグを見逃したりとかしてない?それ」
「って言ってもなぁ……人数は制限ギリギリだったし、あの遺跡結局はほとんど一本道だったから、アレで見つけられないってなったら相当だぞ?」
「そういえばそっか……んー、でも今の話だと結局今回のクエストがどういう話だったのかほとんどわからないし……」
「ま、元はといやぁ報酬の例の短剣目当てのクエだったんだ。本音をいやぁそれ自体はどうでもいいんだがな」
「それはそうかもだけど……」
キッチンで鍋をかき回しながらそういう涼人に、なおも直葉は渋面を続けて腕組みをする。ちなみに、目的のものでもあった純白の短剣、《アムン=ラーの短剣》はシリカをはじめ全員の苦労に見合うものであった。デザインはシンプルなものの、高いクリティカル威力補正や予ダメージ時のHP回復効果を持つ上、クリティカルポイントに命中すると一定確率で即死効果も持つという破格の性能で、シリカの戦闘スタイルにもあっていたからだ。

「ただまぁ、醍醐味だし、考察すっか」
「え?ほかに手掛かりがあるの?」
それまでの不満顔はどこへやら、急に興味津々といった様子で身を乗り出した彼女に、芝居がかった大仰な仕草でドウドウと両手を振った男は皿を出そうと食器棚のほうへと振り向きながら続ける。

「例のNPCだけどな、砂漠のど真ん中にいた割にゃずいぶんと身なりがよかった。こっからどうだ」
「えー?身なりがいいってことは、貴族とか、王族ってこと?んー、お兄ちゃん、どんな服か覚えてる?」
「え、んー……ってもなぁ……上半身は長い袖の白い……なんだっけあれ……うまく言えない」
「……えー、役に立たないー……」
「いや流石に酷く無いか!?」
心無い物言いにガクリと肩を落とす和人に、けらけらと涼人が笑う。せめて一矢報いようとするかのように腕を組んで天井を見上げていた和人は唐突に「あ」と言いながらやや自信なさげに前を向きなおした。

「えーと、たぶん結構派手な腰布つけてたと思いマス……黄色いやつ」
「む、黄色い腰布……ってことは、やっぱりファラオ系かな……ん?ピラ
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