第三部 1979年
姿なき陰謀
如法暗夜 その3
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ちに、戦略航空機動要塞XB-70は、国防総省本部の付近にあるワシントン・ナショナル空港に降り立った。
機体のすぐわきにタラップ車が横付けされ、搭乗ハッチが開く。
間もなく、濃紺のパイロットキャップに、赤い航空機要員のつなぎ服を着た大統領たちが下りてきた。
この機体は強化装備なしでも運用が可能なため、搭乗員たちは、米軍共通の航空機用つなぎ服を着ていた。
「大統領閣下、ワシントンへ、ようこそ」
「G元素爆弾の準備は、どうなっている」
タラップの上から大統領の下問に対して、階下の国防長官は、最敬礼の姿勢のまま、答えた。
「合衆国の三軍ともに、準備は万全です」
ここでいう三軍とは、米国の陸海空軍の事ではなく、米軍全体の事を指す表現である。
米国の武官組織は、陸海空軍、海兵隊、沿岸警備隊の5大軍事組織からなっていた。
通常は、三軍といえば、陸海空軍ではあるが、国防長官の言葉の意味は違った。
古代支那の「上・中・下・軍」に由来する言葉で、政府が管理する軍事組織を意味する代名詞である。
国防長官の一言に、大統領のほおが緩む。
「よし。フハハハハ」
大統領は、悪魔の哄笑を漏らした。
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