第三部 1979年
姿なき陰謀
如法暗夜 その3
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B-70について、簡単に説明をしてみたい。
全長120メートル、総トン数は3000トン。
乗員は、11名。
機長、副機長、飛行技術士、各1人、航測及び爆撃士2名、計5名が将校。
整備士兼銃手4名、無線手、レーダー係各1人、計6名が下士官兵という編成である。
この機体には、30ミリ機関砲のMk 44 ブッシュマスター II、計12門が、くまなく配置されている。
その他に、ミサイル垂直発射装置が、大小、計52セル搭載されていた。
その内訳は、以下のとおりである。
まず、全身の12か所に搭載されたMark41垂直発射システムは、36セル。
RIM-66スタンダードミサイルの他に、AIM-7スパローミサイル。
技術的には、核搭載型のトマホークミサイルの搭載が可能であるが、まだこの時代には未完成であった。
その他に、原子力潜水艦用のMark45垂直発射システムが2か所設置され、計16セルを備えている。
搭載武器は、RGM-6 レギュラス艦対地ミサイルの改良型で、艦対地巡航ミサイルであるRGM-15 レギュラスIIが搭載された。
このミサイルは核弾頭装備可能で、飛距離は1800キロメートルであった。
その頃、ワシントンの国防総省本部ビルには、米国政府の主だった面々が集結していた。
「議会対応で、遅くなりました」
上院議長が慌てて入ってくると、国務長官が、
「今、大統領閣下と連絡を取っているところだ」
そう話すと、間もなく操作盤にある大型モニターの画面スイッチを入れる。
テレビモニターには、自由の女神像に匹敵する物陰が映し出された。
「おお!」
一斉に、集まった閣僚から驚きの声が上がった。
「今のは、なんだ!」
薄暗かった倉庫の中に、一斉に照明が付けられる。
戦術機のおよそ数倍はある大型ロボットの姿が、闇の中から浮かび上がったのだ。
ネリス試験訓練場にいる米国大統領は、満面に笑みを浮かべながら、
「遂に完成したぞ。
これでサンタフェ計画も、最終盤だ」
ついに姿を現した戦略航空機動要塞XB-70。
格納庫のハッチが開くと、そのまま、基地の上空に飛びたつ。
機体は、戦術機形態から、航空機形態となり、国防総省本部へと発進した。
「こ、これは……」
「す、凄い。
これが、グレイ博士の戦術機か……」
感嘆する閣僚や三権の長をよそに、CIA長官は冷めた一瞥をくれていた。
(「グレイ博士の戦術機……悪魔のマシンが完成してしまったか」)
CIA長官は、BETA由来のG元素を警戒する数少ない人物であった。
これで、核戦力以上の暴力兵器が、全世界に拡散するのではと、ひとり懸念をしていた。
「大統領閣下を、お迎えするぞ」
「おお!」
一時間もしないう
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