第六十七話 竜殺しの英雄その九
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「ほんまな」
「地獄でもあるね」
「そや」
まさにというのだ。
「そうしたもんでもある」
「それも恋愛やね」
「そやから迂闊にはや」
「入るもんでもない」
「そうも考えてええやろ」
「地獄も見るもんやて」
「そや、そう考えたらな」
リーはこれ以上はないまでの真剣な表情のまま話した。
「恋愛はな」
「せんでもええね」
「せんと死ぬか」
「そういう訳でもないし」
「せんでもええわ」
「そうなるね」
「誰かを好きになったら入ったらええ」
恋愛、それにというのだ。
「そやけどな」
「下手したら地獄にも落ちる」
「そうしたもんでもあることをな」
「知ることやね」
「そして覚悟して」
そのうえでというのだ。
「入るもんや」
「恋愛も怖いもんやね」
「ほんまな」
「うち恋愛で地獄見たくないし」
当然味わいたくもない、綾乃は起きた世界では学園の生活をこちらの世界ではこの世界を救うことだけを考えていると言っていい、それで言うのだ。
「お友達に部活にお勉強に」
「そういうので手が一杯やな」
「起きた世界でも。そして」
「こっちの世界ではな」
「もう棟梁として」
十星連合のというのだ。
「何かと多忙やし」
「恋愛を考える余裕がないな」
「ましてや結婚も」
恋愛が進めば入るそちらにもというのだ。
「考えが及ばへんわ」
「そやな、ほんまこっちの世界ではな」
「うち等政に忙しいね」
「ああ、けどな」
それでもとだ、リーは綾乃に話した。
「恋愛はしようと思えばな」
「出来るんやね」
「そういうもんみたいやな」
「幾ら忙しくても」
「そうしたもんみたいやな」
「そやねんね」
「ただほんま地獄もある」
リーはこのことは今も真剣な顔で話した。
「ドン底に落ちてな」
「生き地獄を味わう」
「そうしたもんでもあることはな」
「覚えておくことやね」
「それもそ性格も人生観も変わって」
「人間に対する考えも」
「一生のトラウマを抱える様な」
そこまでのというのだ。
「怖いもんでもある」
「そのことは覚えてへんとあかんね」
「随分過酷な恋愛観ですね」
ホワイトドラゴンは二人の話をここまで聞いて言った。
「地獄とは」
「下手したらやで」
「それでもです」
綾乃に対して答えた。
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