暁 〜小説投稿サイト〜
私 あの人のこと 好きなのかも やっぱり好きなんだよ 昔からー
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高3の夏休み、もうすぐ終わろうかとしていた。私は、カイを散歩に連れて、自然と足はあの人の家のほうに向いていた。もうあれから2年になるんだ。私があの人にあの時、ひどいことを言ってしまってから・・・
あの人の家に差し掛かった時、庭の中から
「真織ちゃぁん こんにちわ ワンちゃんのお散歩?」
「あっ こんにちわ 暑いですよねー」
「そう さっき こっちに来たのよー お花たちにお水をあげていたの 雨が降らなかったでしょ だから・・ 気になっていたのよ そうだ! 丁度いいわー お茶しましょ 寄って行きなさいよ」
「えぇ でも カイが・・・」
「カイっていうの この子 大丈夫よ 門を閉めとけば 出れないし 放しておけばーぁ 勝手に歩き回っているわよー」
と、カイにお水だけあげて、私は家の中に案内されていた。リビングはエアコンでないのだけど、どこからともなく、なんとなく涼しい風が流れてくるのだ。おばさんはステンレスカップに氷を入れてきて、そこに熱い紅茶と蜂蜜を同時に注ぎ込んでいた。
「これは、私のお友達がやっている福知山の蜂蜜なの 紅茶が黒くなるんだけど、健康にいいからね」
「あっ おいしいぃ おば様はいつも紅茶なんですか?」
「そうね コーヒーはあんまり飲まないわ そうだ フィナンシェあるわよ これっ おいしいのよー どうぞー」
「うん これも おいしい おば様はいつも なんだか 優雅ですよねー」
「そうね こっちに来ている時は 時間が停まるわ あの子が居なくなってからは 特にネ 私ね ハンドタオルとかナプキン使って パッチワークしてるのよ そのソファーのもそう 夏用にサラサラとしたナプキン お洗濯もできるしネ」
そういえば、私の座っているソファーにも掛かっていた。カラフルなものの組み合わせ。
「素敵ですねー いろんな色で楽しくなります」
カイはお庭を歩き回っていたのだが、飽きたのか疲れたのか リビングのベランダに寄って来て座り込んでいた。
「そうだ 去年はね ベッドカバーも作ったの ハンドタオルでね でも、途中で横着してフェイスタオルも組み合わせちゃったの 後で、見てちょうだいネ お花柄とかあるから、もっと楽しいわよー」
半分螺旋状になった階段から2階の部屋に案内されて
「伊織利の部屋なんだけど・・・女の子を入れたなんて内緒ネ!」
あの人の部屋。私は、急にバクバクしてきて、ドァを開けられた瞬間 顔も火照ってきているのがわかった。足も動かなくて、部屋の中に踏み入れることが出来なかった。
「遠慮しなくていいわよ 母親の特権よ! さっき 窓を開けて、空気を入れ換えているの」
確かにレースのカーテンなんだけど、なまぬるい風が入ってきてい
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