第四幕その七
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「畑でね」
「山にあるんだよね」
「奇麗なお水がないと」
そうでないと、というのです。
「山葵は出来ないのよ」
「そうなんだよね」
「それでお刺身やお寿司に使うけれど」
「つ〜〜〜んってくるよね」
「食べるとね」
「お鼻にね」
まさにそちらにというのです。
「強烈だよね」
「涙が出る位にね」
「あの香辛料もあるね」
「香辛料にはね、かつてはね」
ドロシーはこうもお話しました。
「香辛料は貴重だったのよ」
「外の世界での欧州ではだね」
教授がその生姜を食べつつ応えました。
「そうだったね」
「ええ、私も学んだことだけれど」
「胡椒がお肉に必要だったんだ」
「けれど欧州では採れなくね」
「ローマ帝国の頃は極めて貴重でね」
そうしたものでというのです。
「ずっとインドから貿易を通じて手に入れていたんだ」
「陸地からそうしていて」
「凄く高価だったんだ、そして大航海時代に」
「海から運んでいたわね」
「それでも高価だったよ」
「そうだったわね」
「そうした歴史もあったんだ」
外の世界ではです。
「オズの国では香辛料にも困らないけれど」
「外の世界では違ったわね」
「香辛料にもそうした歴史があったんだ」
「そうよね」
「そのお話は私も知っているよ」
モジャボロも言ってきました、猪肉を美味しそうに食べています。お味噌と生姜で味付けされていてとても美味しいです。
「本当に胡椒、それに生姜だってね」
「欧州では高価だったわね」
「長い間ね」
「若しもよ」
ドロシーは言いました。
「お肉に胡椒や生姜がなかったら」
「どんな味かね」
「想像も出来ないわ」
「そうだよね」
「ええ」
本当にというのです。
「私もね」
「そうだよね」
「ステーキだって」
弟さんはお豆腐を食べつつ言いました。
「お塩とね」
「胡椒を使って味付けしてね」
「それで食べられるから」
そうしたものだからだというのです。
「ステーキを考えてもね」
「胡椒は必要よね」
「ひいては香辛料もね」
「そういえば」
おばさんが思い出した様に言ってきました。
「カンザスにいた頃は」
「香辛料だってよね」
「お塩もバターもね」
ドロシーにその頃のことを振り返ってお話するのでした。
「困る時があったわ」
「そうだったわね」
「お金がなくて」
まずこの問題があってというのです。
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