第十四話 微かに見えたその五
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「観ている」
「そうか、こいつは毒があってな」
「猛毒だな」
「それも結構以上に強く毒だったな」
「人間だと下手したらお陀仏だな」
筋ゴリンもいて言ってきた。
「とんでもねえな」
「俺達はその心配はいらないけれどな」
それでもとだ、ターゲイトは話した。
「やっぱりな」
「噛まれないことだぜ」
「大事なのはな」
「噛まれると痛いんだよな」
デレプタは自分達のコーナーの中で今はただじっとしているだけのハブ達を観ながらこんなことを言った。
「そうだよな」
「そうした毒とのことだな」
ドレイクが答えた。
「どうもな」
「それでだよな」
「噛まれるとな」
そうなると、というのだ。
「本当にな」
「大変だな」
「俺達は確かに死なない」
「そうした身体だな」
「人間より頑丈だからな」
そうした身体だからだというのだ。
「死ななない、兵士達もな」
「それでも痛いことは痛いからな」
「噛まれないことだ」
「何かな」
筋ゴリンはこうも話した。
「沖縄には他に毒蛇がいるんだったな」
「ああ、海にな」
デレプタが答えた。
「海蛇がいてな」
「エラブウミヘビだったな」
膜インも言ってきた。
「毒はかなり強いが極めて大人しいからな」
「噛みはしないか」
「そうらしいな」
「そうか、海蛇はそうか」
「ここでのハブ以外の毒蛇は何かというとな」
「本にも書いてあったな」
沖縄に来るまでに読んだ沖縄について書かれた本の中にというのだ。
「そうだったな」
「うむ、これでいいか」
「いや、それがな」
筋ゴリンは違うといった口調で話した。
「まだいるらしいんだよ」
「何だ?まだいるのか?」
ターゲイトはそう聞いて首を傾げさせた。
「沖縄に毒蛇が」
「図鑑でちらっと見たんだよ」
「動物図鑑か?」
「ああ、沖縄には色々な生きものがいてな」
そうであってというのだ。
「ハブや海蛇以外にもな」
「毒蛇がいるんだな」
「そうみたいだな」
「そうだったか?」
ドレイクは筋ゴリンの言葉に首を傾げさせた。
「まだいたか?」
「ちらっと見たんだよ」
「読んだ本にはいなかったがな」
「いや、こいつは嘘を言わない」
膜インは親友のことを知っていてこう言った。
「だからな」
「毒蛇はいるか」
「沖縄にまだな」
「ハブや海蛇以外にもか」
「その筈だ」
「それはヒヤンとハイですね」
メタルエーがいた、そのうえで言ってきた。
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