第32話
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後の当時、世界中はヨルムンガンド戦役を終結に導いたシュバルツァー総督の話題で溢れていましたから、当然シュバルツァー総督の女性関係も新聞や雑誌等に載りましたから。………ただ、”その時点でのシュバルツァー総督の婚約者の数は13人だったはずなのですが”………」
「……確かに彼は”英雄”と称されて当然の行いをしたし、人柄もよくて通常では考えられない早さで大出世して”総督”にして”将来の公爵家当主”という立場になったにも関わらず、立場に奢る事なく研鑽し続けている人物で、まさに”英雄”を現す人物ではあるのよ。だけど、女性との巡り合わせに関してはヴァン以上に豊富で、それも無意識で女性達を惹きつける罪深い性格という”欠点”があるみたいなのよ……」
「おい、エレイン!そこで何で俺を引き合いに出すんだよ!?引き合いに出すとしたら、”初代特務支援課リーダー”か”黄金の戦王”だろうが!」
複雑そうな表情で声を上げたファンの話を聞いて驚きの表情で声を上げたフェリの疑問にアニエスとエレインはそれぞれ困った表情で答え、エレインの話を聞いたヴァンは疲れた表情で指摘した。
「皆さんもご存じのように”灰の剣聖”殿には既に数多くの婚約者が存在しています。仮にアシェンお嬢様がそこに加わったとしても、アシェンお嬢様の妻の序列は最下位、もしくは下から数えた方が早いという”ルウ家の令嬢としては屈辱的な立場になるでしょう。”」
「――――――ギエン老の孫娘であり、ルウ家の現当主であるファン大人が大切にしている令嬢がメンフィル帝国の有力者の立場の低い妻として嫁ぐ………これなら、メンフィル帝国がルウ家――――――黒月との軋轢を作ることなく今回の件での”黒月への戒めの代案”になると思うんだが?」
「――――確かに一理ありますね。ですが彼の将来の伴侶達は捨て子だった彼を家族として受け入れてくれた姉妹、4年前の内戦や3年前の大戦を共に生き抜いてきた戦友、そしてかつての学び舎の同期やその繋がりの者達といずれも彼との”絆”が深い者達ばかりです。そんな彼が更なる伴侶を増やすにしても、今まで何の縁もなかった女性を伴侶として受け入れる事もそうですが、彼の将来の伴侶達も認めるかどうか等と言った疑問が残るのですが?」
チョウの説明を捕捉した後に問いかけたヴァンの問いかけを肯定したリアンヌはヴァンにある指摘をした。
「ま、それに関してはお嬢さんの努力次第になっちまうが………3年前の大戦の件でエレボニアもそうだがアルフィン王女やアルバレア家にもメンフィル帝国が許す機会をやったように、今回の一件でメンフィル帝国の怒りに触れたルウ家――――――黒月にもメンフィル帝国が許す機会をやらねぇと、”筋”が通らないと思うんだが?」
「ヴァンさんの言う通りだね。それにそもそ
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