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八条学園騒動記
第七百四十九話 本物の馬鹿その十三

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「そして国難に殉じた人達としてな」
「祀られているか」
「英霊の中の柱達としてな」
 その立場でというのだ。
「そうなっている」
「そうか」
「日本の山城星系においてな」
 この時代の日本の首都星系だ、日本は皇室を戴いている国であるので首都ではなく帝都と呼ばれることも多い。
「かつては地球にあったが」
「移転してか」
「そこにあってな」 
 山城星系にというのだ。
「そしてだ」
「そのうえでか」
「そこで祀られている」
「そうなっているんだな」
「そして日本を護っている」 
 極東軍事裁判で処刑された人達はというのだ。
「誇り高く世を去ってな」
「今はそうしているか」
「これが心があってだ」
 人としての確かなというのだ。
「思慮分別のある人の姿だ」
「そういうことよね」
「そんな奴は間違ってもな」
「そんな死に方はしないわね」
「今俺が言った通りの死に方をする」
 必死に泣き叫んで命乞いをして自分だけ助かろうとした末にというのだ、えてしてそうした行為を取ればかえって死ぬというか殺されるものである。
「そうなる」
「そうなるわね」
「ああ、そしてな」
 そのうえでというのだ。
「みっともない奴だったとな」
「言われるのね」
「そうなる、そしてな」
「そして?」
「大抵の人はそんな奴になりたくないな」
「ええ」
 アンはまさにと答えた。
「絶対にね。コーファックスさんみたいにはね」
「なりたいな」
「潔い感じだから」
 そう感じるからだというのだ。
「本当にね」
「そうよね、引退は早くても」
「そう思うな」
「スポーツマンらしくてね」
 それでというのだ。
「思うわ」
「俺も同じだ、やっぱりな」
「人はそうあるべきよね」
「早過ぎる引退でもな」 
 タムタムも言った、そして四人でコーファックスのことをさらに調べた。だがサチェル=ペイジのことも決して忘れていなかったのだった。


本物の馬鹿   完


                   2024・1・24
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