暁 〜小説投稿サイト〜
魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
XV編
第200話:疑惑の少女
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た目は、意地でも相手を切り刻むと言う意思を感じさせる見た目となっていた。

 切歌はその形状になったアームドギアを構えると、まるでベイブレードの様に二つのギアが合体した部分の根元にある取っ手を引き抜いた。取っ手が引き抜かれると二つのギアの刃が高速回転しながら射出され、錬金術師の少女を切り刻もうと迫る。

「くッ!?」

 ギリギリのところでそれを回避する少女だったが、少女が回避すると射出された刃は二つに分離。緑とピンクの刃を光らせる二つのヨーヨーとなって、調の操作で少女の周囲を飛び回りながら追い詰めていく。逃げ場を奪われた少女は、二つの刃が自分に襲い掛かるのを見ているしか出来ない。

「ああッ!?」

 二つのヨーヨーがぶつかり合い、艦内に大きな爆発が起こる。その爆発の威力は、船の壁面を吹き飛ばすほどの威力となった。

 2人で協力し、錬金術師の少女を倒した。そう確信した2人は互いに笑みを浮かべ合う。

「やったね切ちゃんッ!」
「今夜はガルドに頼んでハンバーグなのデースッ!」

 勝利を確信した2人だったが、直後瓦礫の下から先程の少女が飛び出してきた。

「やってないッ! 任務遂行を優先して、こちらが加減してたのでありますッ!」

 負け惜しみにも近い発言だったが、実際必要以上に暴れれば最悪船は沈み、苦労して南極から回収した遺骸も海の藻屑となってしまうので的外れな言葉でも無かった。
 尤もその条件は切歌と調にとっても同様であり、2人も必ずしも全力を出し切ったとは言い難いので結局敗北と言う事実は変わらないのだが。

 そんな少女を宥める様に、少女の脳内に声が響く。

『そうよ、エルザちゃん。やりすぎて、船ごと聖骸を沈める訳にはいかないわ。撤退しましょう』

 少女……エルザは脳内に響く念話に思わず反論した。

「撤退でありますかッ!? そんな簡単にッ! そんな事をすれば、連中だって黙っては……」
『連中には上手い事言っておくから。可愛いエルザちゃんがボロボロになる方がお姉ちゃんは辛いわ』

 そうまで言われては仕方ない。後々の事を考えると気が重いが、ここで無意味に散るよりは百倍マシだと自身に言い聞かせた。

「うう……ガンス。……帰投であります」

 エルザはテレポートジェムを足元に投げつけ、転移してその場から姿を消した。

 突然その場から消えたエルザに、残された2人は何処か納得がいかないと言うか困惑したように互いに顔を見合わせた。

「とりあえず、勝てた?」
「少なくとも、あの気味の悪いミイラは守れたのデス……」
「ふぅ……あッ! そうだ、ガルド……!」
「デスッ! ガルドがまだ戦ってるのデスッ!」

 エルザを退けた2人は、まだ甲板上で戦っている筈のガルドを援護
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