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魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
XV編
第200話:疑惑の少女
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く叩き込んだ。
ガルドの怒涛の攻撃を前に、ベルゼバブも堪らずその場に膝をついてしまう。
「ぐ、がはッ……!?」
「調子に乗り過ぎたな。お前の心に隙が出来る瞬間、しっかり見極めさせてもらった」
「何ぃ……!」
「料理ってのは、時には待つ事も重要だ。分かったか? 三流料理人被れ」
「き、さま……!?」
ガルドからの挑発に、ベルゼバブが激昂しながら立ち上がった。
時を少し遡り、艦内へと飛び込んだ切歌と調の2人。普段とは勝手が違い、行動を大きく制限される狭い艦内での戦いに2人は思わぬ苦戦を強いられていた。
「鬼ごっこなら、シュルシャガナでッ!」
艦内を逃げ回る錬金術師を追う調だったが、相手は逃げながら戦う術をよく理解していた。
角を曲がった調の前に佇む錬金術師の少女。だがそれは囮であり、彼女は調の背後になる位置に既にアルカノイズを配置していたのだ。
「掛ったでありますッ!」
「え? あ――」
調が気付いた時には時すでに遅し。アルカノイズからの攻撃により、調は大きく体勢を崩されてしまった。
「きゃぁぁッ!?」
体勢が崩れた調に、錬金術師は追い打ちをかける。手元のトランクからコードが伸びると、それが少女の腰の後ろにあるコネクターに接続。トランクから出てきた巨大な爪を持つ手が、調を押し潰す勢いで叩きつけられた。
「アタッチメントッ! ネイルッ! ぶち抜くでありますッ!」
「かはッ……」
押し潰され、肺から強制的に空気を押し出され倒れる調。
「――調ッ!?」
響く轟音から調の身に異変が起こった事を察した切歌がそちらへ向かおうとするが、その時彼女の横の壁が崩れそこから無数のアルカノイズが雪崩れ込んだ。
「デデッ!? 今更アルカノイズが何体来たところで――」
アルカノイズの出現に素早くアームドギアを振るおうとした切歌だったが、彼女はここが狭い艦内の通路であると言う事を失念していた。
「うあッ!?」
振り下ろそうとしていた大鎌が何かに引っ張られるように動かなくなる。どうしたのかとそちらを見れば、何と天井の配管に鎌が引っ掛かり動かせなくなってしまっていたのだ。
そんな彼女にアルカノイズは容赦なく襲い掛かろうと迫る。
「デェェェッ!」
響いてくる切歌の悲鳴と、目の前で伸びる調に錬金術師の少女は失望したような溜め息を吐いた。
「この程度でありますか。少しは、期待しようかとも思っていたのでありますが、所詮シンフォギアではこの程度――」
ひどく残念そうに呟いていた少女だったが、彼女は気付いていなかった。
足元にピンク色のヨーヨーが転がっている事に…………
「……ッ!」
「え?」
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