暁 〜小説投稿サイト〜
魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
XV編
第200話:疑惑の少女
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撃を放った直後で隙だらけの彼に対し掬い上げる様に斬撃を放った。

「チィッ!」

 至近距離からの切り上げをガルドは槍の柄を使って防ぎ、その攻撃の勢いを利用して距離を取った。そしてそこから、砲撃モードにしたガンランスによる砲撃を相手にお見舞いする。二つに割れて開いた穂先から覗く砲口が火を噴き、強烈な砲撃がベルゼバブに襲い掛かる。

「フッ……」

 だが砲撃を放たれた直後、ベルゼバブは仮面の奥でほくそ笑んだ。その事に気付かぬガルドはこのまま砲撃の直撃を相手が喰らうものと信じて疑わなかったが、次の瞬間信じられない光景を目にする事になる。

 何と何の前触れもなくベルゼバブの眼前に穴が空いたかと思うと、ガルドの放った砲撃がその穴の中へと吸い込まれて消えてしまったのだ。

「何ッ!? 何処へ、がっ!?」

 砲撃が何処へ消えたのかは次の瞬間自身の身で理解する事になる。出し抜けに背中を強かに撃ち抜かれる感触。それは先程彼が放った筈の砲撃によるものだった。

「い、今のはッ!?」
「フフフッ……」

 突然の事に困惑した様子のガルドを嘲るように笑うベルゼバブ。何が何だか分からないが、このままではいけないとガルドはガンランスを槍に変形させ再度斬りかかった。砲撃がダメなら直接攻撃と言う訳だ。

 縦横無尽に振るわれる槍による斬撃。しかし相手は流石の幹部と言うべきか、巧みな剣捌きでガルドの攻撃を往なし、隙を作り出しては鋭い斬撃で彼の体を切り刻んでくる。

「ぐっ!? くっ、ぐぁっ!?」
「ほらほら、どうしたどうしたどうした? まだ下拵えの段階だぞッ!」
「くっ、舐めるなッ!」
〈ファイヤーエンチャント、プリーズ〉

 ガルドは相手の攻撃の中にある僅かな間隙に、炎属性の魔力をエンチャントし炎を纏った穂先でベルゼバブの攻撃を切り払った。ベルゼバブも近付けばそれだけで焼き払われる攻撃を前に、堪らず距離を取って炎の熱から逃れた。

「くっ、大した火加減だ」
「火の扱いは料理人の基本だ。そんな事も知らないのか?」
「フンッ、戯言をッ!」

 態勢を立て直したベルゼバブは再び攻撃を再開した。弓を引く様に剣を持つ手を引き、刺突の構えを取る。その動きにガルドは僅かに違和感を覚えた。あの位置で既に刺突の構えを取るのは、些か早すぎると言わざるを得ない。自分が次に何をするかを宣言しては、攻撃の成功率もたかが知れている。それとも相手はそれを理解して尚、自分の攻撃を成功させるだけの自信があると言う事だろうか。

 どちらにせよ、相手の攻撃を先に許す訳にはいかない。リーチで言えば自分の方に分があるのだからと、ガルドは脳裏に浮かんだ違和感を振り払って自身も刺突を放った。

 剣と違い、大きく伸びる様に相手に迫る槍による一撃。しか
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