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金木犀の許嫁
第十六話 節度のある人その六

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「恋愛って怖いわよね」
「そうした一面あるわね」
「その人のお話聞いてたら」
「幸い絶対に離れないお友達がいて」
「彼女さんも出来てね」
「それで助かったけれど」
 それでもというのだ。
「そんな目に遭うと思ったら」
「絶対に嫌ね」
「恋愛したくないわね」
「そう思うわよね」
「そうしたお話もあるし」
 真昼はそれでと強い声で言った。
「だからね」
「恋愛はいいのね」
「今は」
「そうなのね」
「そうも思うの。今はいいわ」 
 恋愛、それはというのだ。
「本当にね」
「そうなのね」
「じゃあ今の生活を満喫するのね」
「暫くは」
「そうするのね」
「そうしてくわ」
 こう言うのだった、そしてだった。
 真昼は実際に自分の今の生活を満喫していこうと決意した、それを家でも言ったが夜空は真昼にこう返した。
「お姉ちゃんにも許嫁のお話が来ないかしら」
「来るの?」
「来たらどうするの?」
「夜空ちゃんに来たし」
「それならね」
 自分に来たならというのだ。
「お姉ちゃんにもね。むしろ妹の私に来て」
「姉の私になの」
「来ないなんて」
「おかしいっていうの」
「そうじゃないかしら」
 こう言うのだった。
「何かあるんじゃない?」
「何かって」
「だからお姉ちゃんにもね」
 真昼にもというのだ。
「こうしたお話が。私よりも色々ある」
「色々って」
「お相手の人が凄い人とかね」
「凄い人ね」
「そうじゃない?」
「凄い人って」
「具体的にはわからないけれど」
 それでもというのだ。
「立派な人がね」
「私の許嫁になるの」
「そうじゃないかしら」
「若しそうだとしたら」
 妹の言葉を受けてだ、真昼は考える顔になって応えた。
「その人は誰か」
「気になるわね」
「性格がね」 
 これがというのだ。
「いい人ならね」
「お姉ちゃんはいいわね」
「ええ」
 そうだと答えた。
「何と言ってもね」
「性格よね」
「お顔はね」
 これはというと。
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