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金木犀の許嫁
第十六話 節度のある人その三

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「シリーズだからね」
「続編も読んでいくのね」
「赤毛のアンってシリーズだったのね」
「あの作品だけじゃなかったのね」
「ええ、シリーズでね」
 真昼はそれでと答えた。
「結婚して娘さんもね」
「出来るの」
「そうなの」
「続編そこまで続くの」
「何冊もあってね」 
 その続編がというのだ。
「もうアンの人生をね」
「書いてるのね」
「女の子の時だけじゃなくて」
「人生だったのね」
「それを書いてるのね」
「三銃士もね」
 デュマのこの作品もというのだ。
「実はね」
「人生書いてるの」
「ダルタニャンの」
「そうなの」
「これがね」
 真昼はクラスメイト達に話した。
「若い頃からね」
「歳を取って」
「それで死ぬまでなのね」
「書いてあるのね」
「三銃士はなりたての頃で」
 銃士隊にというのだ。
「最後元帥になって戦死するのよ」
「へえ、そうなの」
「あの人最後死ぬの」
「そうなるの」
「そうなの、実在人物でね」
 尚三銃士の面々もそれぞれモデルになった実在の人物が存在している、そうした意味で彼等も実在しているのだ。
「死ぬまでをね」
「書いてるのね」
「まさかダルタニャンが実在人物なんて」
「夢にも思わなかったわ」
「兎に角長い作品よ」
 デュマが書いたこのシリーズはというのだ。
「赤毛のアンと同じくね」
「それで赤毛のアンも読んで」
「一日充実してるのね」
「誰かと付き合ってなくても」
「それでなのね」
「恋愛はね」
 これはというのだ。
「本当にね」
「今はなのね」
「いいのね」
「他のことが色々よくて」
「充実してるから」
「いいわ、けれど赤毛のアンの作者のモンゴメリーさんは」 
 どうかとだ、真昼はクラスメイト達に話した。
「三十七歳で結婚してるのよね」
「今だとまあ普通ね」
「ちょっと遅いかしらっていう位ね」
「けれどその頃だと晩婚ね」
「そうよね」
「ええ、何かお世話になった人を気遣って」
 そうしてというのだ。
「そのうえでね」
「三十七歳まで結婚しなかったの」
「晩婚だったの」
「そうだったのね」
「武田信玄さんみたいにね」
 今度はこの戦国大名の話をした。
「十三歳で結婚はないわね」
「その結婚すぐに終わったわよ」
 山梨の娘が言ってきた。
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