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金木犀の許嫁
第十六話 節度のある人その二

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「別にね」
「いいの?」
「そうなの?」
「フリーでも」
「ええ、何かね」
 そのどうかという顔で言うのだった。
「いいわ」
「そういえば真昼ちゃんそうしたお話ないわね」
「交際とかね」
「そうしたお話ないわね」
「恋愛とか」
「何かね」
 真昼本んが答えた。
「そうしたことはね」
「苦手?」
「嫌?」
「どれなの?」
「考えたことないのよ」
 こうクラスメイト達に答えた。
「これがね」
「けれど妹さん婚約するのよね」
「許嫁の人と」
「同級生の子とね」
「そうよね」
「じゃあね」
「いや、私はね」 
 真昼はそれでもと答えた。
「別にね」
「いいの?」
「そうしたお話は」
「興味ないの」
「何か縁をね」 
 これをというのだ。
「感じなくて」
「それでなの」
「別にいいの」
「真田家のその人と」
「全く考えてないわ」 
 そうだというのだ。
「本当にね」
「ううん、確かにね」
「真昼ちゃんと恋愛ってね」
「ピンとこないわね」
「成績良くてスポーツも出来て」
「お顔もスタイルもいいけれど」
 スペックは高いがというのだ。
「それでもね」
「誰かとお付き合いしてるとか」
「そう言われてもね」
「ピンとこないのよね」
「どうにもね」
「私もそう思うから」
 真昼自身もというのだ。
「そのうちそうした縁もね」
「出来るっていうのね」
「それじゃあそれまでなのね」
「何もしないのね」
「アプローチも」
「ええ、何も考えてないわ」
 全くというのだ。
「今は他のことをね」
「お勉強とかスポーツとか」
「あと遊びね」
「それに家事ね」
「そうしたことをするのね」
「そういうので何かとしていて」
 それでというのだ。
「満足しているしね」
「一日が充実してるのね」
「何かとやっていて」
「日常生活過ごして」
「そうしていって」
「ええ。それで今は本も読んで」
 そうもしてというのだ。
「楽しんでるしね」
「今赤毛のアン読んでるわね」
「そうしてるわね」
「あの作品ね」
「ええ、そしてね」
 真昼はさらに話した。
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