第3部
サマンオサ
幼なじみとの再会
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ったのだ。彼の名前は??。
「もしかして、ルーク!?」
その名を呼んだ途端、目の前にいる彼の目が見開いた。同じくコゼットさんも驚いた顔でこちらを見ている。
「え!? 嘘……、なんでルークがここに? サイモンさんの息子って……」
想定外の出来事に、私はパニックに陥っていた。
「サイモンは僕の父親だよ。それよりミオこそどうしてここに? もう二度と会えないと思ってたのに……」
ルークとおぼしき青年は、私を凝視しながらどんどん歩み寄ってきた。急に至近距離まで詰め寄られ、私は思わず立ち上がる。
きりっと整った眉と深海のような瞳、それにすっと通った高い鼻筋はなかなかに端正だ。
さらに背は高いがアルヴィスのように筋骨隆々と言うわけでもなく、細く鍛え抜かれた身体は均整が取れていて無駄がない体型と言える。シーラ曰く、アッサラームではこういう男性の方が女性にモテるのだという。
などと呑気にシーラの恋愛講座を思い返していると、目の前に立つ当の本人が突然私の両手を握りしめたではないか。
「!?」
「やっぱり夢じゃない! 本物のミオだ……!」
震える声でルークが呟いた瞬間、突然私の頭が後ろから引っ張られた。
ぐいっ。
「いたたたたた!!」
久々のユウリの三つ編み引っ張り攻撃に、私はたまらずルークから離れた。振り向くと、ユウリが胡乱な目を向けていた。
「新手の痴漢か? 随分と馴れ馴れしい奴だな」
「ま、待って!! もしかしたらこの人、私の幼馴染みかもしれないの!!」
『え?!』
その言葉に、どう言うことかと3人が声を揃える。
疑問を解決するべく、私は自己紹介がてら、目の前の彼が私が知ってるルークかどうか確認をした。
「ええと、私はミオ。昔カザーブの村で、フェリオっていう武闘家のもとで一緒に武術の修行をしてたんだけど、そのときのこと、覚えてる?」
すると彼は目をひときわ輝かせた。
「もちろん!! 正確には僕が11歳のときだから7年前だ。よく君と修行を抜け出してコスモス畑に行ってたよね」
「そうそう!! そのあと師匠にバレて怒られたんだよね」
思い出が共有できて嬉しくなった私は大きく頷いた。間違いない。彼は私の知っているルークだ。
そう確信した瞬間、幼い頃の思い出が次々と呼び起こされる。
修行中師匠に内緒でこっそりと二人で抜け出したこと。そのあとバレて揃って師匠に叱られたこと。休みの日は私の家に呼んで一緒に遊んだりしてたっけ。
実際には半年くらいしか一緒にいなかったけど、他に同年代の友達もいなかった私にとって、ルークは唯一無二の親友だった。そんな彼が、まさか目の前にいるなんて??。
「はいはい二人とも。感動の再会は後にしてもらって、そろそろ本題に入ろー」
ぱんぱん、と手を叩くシーラにハッとした私は
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