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英雄伝説〜黎の陽だまりと終焉を超えし英雄達〜
第31話
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答えた。

「……アシェンさん。”黒月の令嬢”としてでなく、”アシェンさん個人として”ギルドに依頼するつもりはありませんか?」

「え………」

「おや………」

するとその時鞘に手を当てたエレインがアシェンに問いかけ、エレインの問いかけにアシェンが呆けている中チョウは目を丸くした。

「無謀な事をしようとするんじゃねぇ、エレイン!幾らお前でも”槍の聖女は絶対に勝てない相手”である事は理解しているだろうが!?」

「だからと言って幾ら黒月の長老とはいえ、遊撃士として”虐殺”も同然のこの状況を見過ごせる訳がないでしょう!?」

エレインの行動と言動にエレインがやろうとしている事を察したヴァンが血相を変えてエレインに警告し、ヴァンの警告に対してエレインは反論した。

「フン、遊撃士でありながら黒月の長老を救う為に至高の存在たるマスターに挑もうとするその心意気だけは誉めてあげますが、もしそのような事をすれば返り討ちに遭うのは貴女だけでなく、遊撃士協会(ギルド)自身ですから、素直にアークライドの警告に従った方がいいですわよ、剣の乙女(ソードメイデン)。」

「マスターが今行っている事は前メンフィル皇帝と現メンフィル皇帝――――――つまり、”一種の国家権力による政治”だ。遊撃士である其方がマスターを阻むという事はギルドの規約である”国家権力への不介入”を破る事にもなるぞ。」

「ただでさえ4年前の”クロスベル異変”に3年前の”ヨルムンガンド戦役”の件での”高位遊撃士の不祥事”があるのに、よりにもよってA級であり、カルバード両州のギルドの広告塔でもある貴女が3年前の”零駆動”のようにギルドの規約を破ってギルドが一国家との問題を作ったなんていう”不祥事”を起こせば、カルバード両州のギルドの立場は不味い事になるのじゃないかしら?ましてや、カルバード両州をそれぞれ治めている国はメンフィル帝国とクロスベル帝国――――――”4年前と3年前のそれぞれの遊撃士達の不祥事が原因の一つで、その結果世界各国をも巻き込む大事件の中心になってしまった国”だもの。」

「!!!〜〜〜〜〜〜っ!!」

デュバリィ達”鉄機隊”の指摘を聞いて目を見開いたエレインは唇を噛み締めて必死に耐えながら鞘から手を放した。

「エレインさん………ヴァンさん、何とかならないのですか……ッ!?遊撃士協会も動けない今のこの状況を何とかできるのは、”裏解決屋”だけなんじゃないですか……!?」

「つってもなぁ………止めさせるには”代わりになる戒め”――――――つまり、ギエン老を生かす代わりにギエン老がメンフィルの怒りを収める程の何らかの”謝罪”か”誠意”の証をメンフィルに示す事だが……………ん?」

エレインの様子を心配そうな表情で見つめたアニエスは懇願するかの
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