爆発しろ
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。ついでにお前に彼女が出来たことを聞こうと思っていたんだが、その前に何だ? 姪っ子?」
「ああ。色々あってな。今は、一緒に暮らしてる」
「……!」
その途端、無意識にコウスケの脳裏に先日の少女と目の前の祐太の姿が重なった。
「……隠し子か」
「違えよ!」
「犯罪は止めておけ。今警察に行くなら、オレはまだ味方になれるからな?」
「だから違うって! 叔母とも色々話し合った末だからな!」
雄介は弁明をしながら、深くため息を付いた。
「まあ、助けてくれたし、お前には話すよ。あの子の両親……俺の姉なんだけどさ。俺が面倒見ている間に出張先の飛行機が行方不明になってさ。両親もいないしで、俺が世話をすることになったんだよ」
「何でまだ大学生のお前が? 普通に叔母さんいるんだろ? そっちに頼めよ」
「三姉妹なんだよ。施設や里親だと、三人バラバラに引き離されるから、三人が一緒にいられるには、俺が保護者になるしかなかったんだ」
「……お前、それ結構最近の話だよな?」
「三月くらいの話だよ」
三月。
それは、あの邪神イリスが出現した頃だ。
コウスケが崩落するマンションに巻き込まれたのとほとんど同時期に、祐太も大きな変化を迎えていたらしい。
「そっか……そんで、先月は春休みだもんな……何か最近様子が変わった話を耳にしてな。ちょっと心配してたんだ」
「ああ、そうなのか……確かに最近、結構バイトとか増やしているからな……」
「体には気を付けろよ? クマすっげえぞ」
コウスケは指さして指摘する。
すると祐太は、思い出したように自らの顔に触れた。
「ああ……多分、昨日のバイトだな。……徹夜で疲れててな」
「……本当に無理すんなよ? 何言えばいいか分からねえけど、困ったときには相談しろよ? どこまでできるかは分からねえけど、力にはなるぜ」
「ありがとうな。その気持ちだけでも十分だよ。あと、彼女も力になってくれてる」
「彼女……そういやお前、彼女できたんだってな」
祐太に対して、一番気懸りなところがこの部分である。
ハルトから、以前腕ではなく背中に令呪が刻まれたマスターがいた話も聞いている。
もしかしたら、彼も手以外に令呪が刻まれているのかもしれない。
そして、仮に彼がマスターだとして、もしも知り合いに突然どこからともなく現れた女性を目にされた場合、どう取り繕うだろうか。
家族や恋人だと主張するのが、一番手っ取り早いだろう。
「ああ。何だよ、知ってたのか?」
彼女の話題となった途端、祐太の表情から陰りが薄れていく。
「まあな。で? どんな人なんだよ?」
聖杯戦争のことは頭の片隅に追いやり、ここからは普通の大学の友人として。
に
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