第七百四十九話 本物の馬鹿その二
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「連合の教師は質が悪いというが」
「実際に悪いんだな」
「本物の馬鹿と言うしかないな」
それこそというのだ。
「まさにな」
「そうした奴こそか」
「人を怪我させてどうする」
「そんなトレーニングをさせることはか」
「知らなかったでは済まない」
そのトレーニングにどういった効果があるかをというのだ。
「絶対にな」
「トレーニングの内容と効果は知っておけだな」
「行う、行わせるならな」
そうであるならというのだ。
「そうすることは常識だからだ」
「それでか」
「それをしないで行う、行わせるなら」
「本物の馬鹿か」
「何も調べないで行う、行わせるならな」
そうであるならというのだ。
「馬鹿と言わずしてだ」
「何と言うか」
「そうだ、馬鹿はな」
「そうした奴か」
「まずトレーニングの効果を調べていないことだ」
このことが妻女の問題点だというのだ。
「足腰が強くなるだの傷めるだのな」
「意味がないトレーニングならか」
「それを知らないことはな」
これはというのだ。
「それ自体が愚かだ、調べていないではだ」
「済まないな」
「そしてやらせて傷めさせるなぞだ」
「尚更馬鹿だな」
「こんな奴が本物の馬鹿でな」
そうであってというのだ。
「お前はだ」
「違うからか」
「俺はお前を馬鹿とは思わない」
決してというのだ。
「まして自分が若い頃はそうしたことをしていたと言ってな」
「やらせることはか」
「それはそいつの若い頃が間違っていたんだ」
「そのことが正しいんじゃなくてか」
「過ちはあらためられる」
そうなるものだというのだ。
「人の行いにはどうしても間違いがあってな」
「間違いに気付けばか」
「あらためられる、そうなっていってだ」
そうしてというのだ、タムタムはフランツに対して真剣そのものの顔で彼にさらに話をしていくのだった。
「人は進歩するのだ」
「世の中もだな」
「昔はそうだったではない」
決してというのだ。
「問題はだ」
「今どうかか」
「今正しくな」
そしてというのだ。
「それを行うかだ」
「そういうことだな」
「だからだ」
「自分が若い頃はどうだったか、はか」
「間違ったトレーニングを行ったり行わせるならだ」
「そう言ってだとか」
「馬鹿だ、本物のな」
まさにというのだ。
「それで怪我させてどうする」
「その通りだな」
フランツも確かにという顔で頷いた。
「俺も兎跳びはしたことがない」
「うちの学園ではしないな」
「どの部活もな」
それこそとだ、タムタムに答えた。
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