暁 〜小説投稿サイト〜
知らない木
第三章

[8]前話
「水着になってね」
「お姉ちゃん黒ビキニだったわね」
「ナンパされたことの方がね」
「インパクトあったのね」
「だって声かけてきたのNBAのスターだったのよ」
「マイケル=ジョンソンさんね」
「あんな人に声かけられるなんて」
 それこそというのだ。
「そうそうないから」
「それでなのね」
「美人でスタイルいいとか言われたし」
「お姉ちゃん実際にそうだしね」
 妹から見てもだ。
「それでね」
「そう言ってもらって嬉しいけれど」
「物凄いことよね」
「リアルで会って」
「声かけられるなんて」
「まさかと思ったから」
 だからだというのだ。
「インパクトがね」
「凄かったのね」
「この木を今観ていることもそうだけれど」
「お姉ちゃんにとっては」
「そっちの方よ、ただね」
 白いワンピースに麦藁帽子姿の妹に微笑んで話した。
「この木を観ていることもね」
「やっぱりインパクトあるわね」
「ええ、知らない木がね」
 歌にある様にというのだ。
「これで知ってる木になったわね」
「観たから」
「ええ、見たし見たこともない木にもね」
「ならなくなったわね」
「だからここに来てよかったわ」
 妹に微笑んで話した。
「あんたと一緒にね」
「私もなの」
「あんたと見てお話したでしょ」
 自分が高校生だった頃妹がまだ小学一年の頃のことも話した。
「あの時からずっと不思議って思ってたし」
「私と観て」
「それが不思議でなくなったから」
 だからだというのだ。
「本当にね」
「よかったのね」
「ここに来てこの木を見てね」
「そう言ってくれたら私も嬉しいわ、この木を実際に見られて」 
 そうしてとだ、妹も答えた。
「お姉ちゃんもそう言ってくれてね」
「それでなのね」
「よかったわ」
 こう言ってだった。
 暫く姉妹で木を見た、その木は巨大な姿をそのまま見せていた。二人のことを見てか見ておらずかはわからないが。


知らない木   完


                  2024・1・15
[8]前話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ