第二章
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「来たか」
「待っていたわ」
「ではこれからだ」
「お話をしましょう」
「何と、本当に生きていたのか」
マルドゥクは老人、アプスーと老婆、ティアマトーを見て唸った。
「いや復活したか、それならば」
「まあ待て」
アプスーは戦わんとする彼に穏やかに言った。
「話をしようと言ったな」
「話だと」
「そうだ、まさかわし等が戦うと思っているのか」
「違うのか、実際貴方は我々が増え過ぎてだ」
そうしてとだ、マルドゥクは反論した。
「滅ぼそうとした」
「昔の話ではな」
「昔だと」
「今は違う」
「だからお話をしましょうと言ったのよ」
ティアマトーも言ってきた。
「これからね」
「戦うつもりはないのか」
「ないわ、お酒でも飲みながら」
そのうえでというのだ。
「お話しましょう、供の者達にも」
「酒を出してくれるのか」
「そしてね」
そのうえでというのだ。
「お話をね」
「わかった」
マルドゥクも頷いた、そしてだった。
宮殿の中に入りだ、そこでだった。
話を聞いた、二柱の神々は卓の上に多くの馳走と酒古代メソポタミアのそれを出したうえで話した。
「今我々への信仰が復活しているな」
「そうなっているわね」
「そのことは知っている」
マルドゥクは酒が入った杯を手に答えた。
「これまで我々の信仰は忘れられていたが」
「それが復活してだ」
「神殿も建てられているわね」
「星間国家連合という国でな」
「そうなっているわね」
「我々だけではない」
マルドゥクは酒を飲みながら答えた。
「マヤやアステカ、インカにだ」
「エジプトにスラブにな」
「古代の神々が信仰される様になったわね」
「ケルトまでな、エウロパという国ではギリシアや北欧のだ」
そうした地域のというのだ。
「神々がだ」
「再び信仰されている」
「有難いことにね」
「一神教だけでなくだ」
キリスト教やイスラム教の様なというのだ。
「様々な神々が思い出されてな」
「そうなっている」
「私達メソポタミアの神々もね」
「だが、だ」
マルドゥクは祖の神々に言った。
「貴方達は死んだ」
「かつてはな」
「かつてだと」
「そうだ、かつてはだ」
アプスーは笑って答えた。
「そうだったがな」
「言っている意味がわからないが」
「信仰している者達が言いだしたのだ」
「言いだしたというと」
「私達は死んでいないとな」
その様にというのだ。
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