第一章
[2]次話
序曲とあらすじは
ジュゼッペ=フォルゴーレイタリアのミラノで生まれ育ち過激が好きな彼は今ロッシーニに凝っていた。
それで彼の曲を聴きCDも集めコンサートや舞台にも行っていたが。
彼女の日本から来て同じ職場で働いている工藤青空一六四センチ程の背で大きな明るい目と明るい愛嬌のある顔立ちにすらりとした脚とスタイルの彼女に言われた。
「ジュゼッペロッシーニ好きよね」
「最近はね」
ジュゼッペもその通りだと答えた、二十九歳で青空より三つ年上である。黒髪をオールバック気味にセットしていて一八〇近い背で面長で彫のあるキリッとした顔立ちで眉は太く顎は尖っていて均整の取れたスタイルである。二人は今仕事帰りで同居している部屋で一緒に夕食を食べながら話をしている。
「そうだよ」
「それならね」
青空はその話を聞いてジュゼッペに言った。
「ウィリアム=テル観に行かない?」
「ウィリアム=テル?」
「そう、あの作品をね」
向かい合って座っている彼に言うのだった。
「そうしない?」
「いや、あの作品は」
ジュゼッペは青空に微妙な顔になって答えた。
「ちょっと以上にね」
「ちょっと以上って」
「やってないよ」
「いや、ロッシーニってメジャーな人でしょ」
青空はこう返した。
「歌劇を作曲した人の中でも」
「そうだよ」
ジュゼッペもこのことは否定しなかった。
「歌劇だとモーツァルトと同じ位ね」
「よく上演されるわね」
「若手の歌手の人達がよく出て」
そうしてというのだ。
「上演されてるよ」
「あちこちの歌劇場で」
「イタリアに限らず」
ジュゼッペはさらに話した。
「欧州全体の歌劇場でね」
「そうよね」
「作品も多くて」
ロッシーニの歌劇の作品は実に多いのだ。
「そしてね」
「上演されることも多いわね」
「二十世紀末から研究も進んで」
ロッシーニの作品のだ。
「これまで上演されてなかった作品も」
「上演されてるわね」
「ロッシーニの作品を上演する為のフェステイバルも開かれてるよ」
ジュゼッペはこのことも話した。
「それでね」
「沢山上演されてるわね」
「そうだよ」
青空にその通りだと答えた。
「本当にね」
「そのロッシーニの代表作で」
青空はここまで聞いてあらためて話した。
「物凄く有名な作品だから」
「観に行きたいんだ」
「一緒にね」
ジュゼッペに明るい笑顔で返した。
「そうしたいのよ」
「どうしてもかな」
「どうしてもよ」
青空の返事は明快なものだった。
「序曲好きだしあらすじも知っていて」
「有名だよね」
「面白そうで前から観たいと思っていたから」
それでというのだ。
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