第5話:裏切り者対策が足りない……
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行きは大急ぎだったが……
私の今回の判断は完全に後手だった上に完全に無駄足じゃなぁ……
……完敗じゃ……完璧に……
「許せん!あの者はムソーウ王国の恥だ!」
ドウカァーさん、アンタの怒りは解りますが、所詮は人間ですよ。
欲深い人間程、自尊心や罪悪感より利益や損得を優先する。
その証拠に、かつての豊臣秀吉は、そんな利益や損得で物事を考えて下剋上に走った馬鹿を沢山見聞きして来たし、豊臣秀吉も出世の為に色々な物を利用して来た。清州城での信長様の跡取り決めで三法師を推薦したしね。
「それが人間だよドウカァー君。先程君に殺されたヴァカは、マッホーウ法国に就くよりエイジオブ帝国に就く方が得で正しいと思ったのだ。確かにドウカァー達が言うムソーウ王国への忠誠心は立派だよ。でもね、何を正しいと捉えるかは人々それぞれだし、損得勘定に溺れて損する正しいより得する誤りを選択するんだよ」
当然ドウカァーは豊臣秀吉の言う正論に反対する。と言うか、そう言う自尊心や罪悪感を優先する馬鹿が居ないと私も寂しいし辛い。
「何ですかその得する誤りって!そんなの、ただの恥ではありませんか!?」
得する誤りは恥……か。
人間全員がそんな良い意味で馬鹿ばっかならどれだけ楽な事か……
「ドウカァー、お前の心は案外綺麗なのかもな」
「変な事を言ってごまかさないで下さい!」
「そうだな……と言いたいところだが!」
その後に続く言葉はちゃんと念を押さねばならん事だ!
戦争には得する誤りと損する誤りしかなく、戦争に正しいが入り込む余地は無いのだからな!
「得する誤りで利益を得て味を占めた愚か者には、他人からの軽蔑の視線や正論に言わされた悪口は通用しない!得する誤りで得た利益を捨てたくないし、得する誤りを辞めた事で被る損害を恐れているからな。それが人間が本来やるべき正しいを蝕む邪な欲だし、その究極体が戦争なんだよ」
ドウカァーは以外にも黙った。てっきり、「ムソーウ王国の正しいを否定する気か!」と言って私を叱りつけるかと思ったのだが。
それだけ……あのマッホーウ法国を裏切ってまでエイジオブ帝国に利用された馬鹿の裏切り行為が余程ショックだったと言う事か?
でも……
「本当に正しい事をしようと思うなら、不要な殺しは極力避ける筈だ!寧ろ、これが正しい事だと周囲や大衆や世論に言い聞かせながら不要な殺しを続ける者こそが邪悪な偽善だ!」
ドウカァーは未だに沈黙を守っていた。
……不気味な程に。
「それにな、今回のヌードンへの裏切り行為はヌードン自身の罪でもあるんだ」
「ヌードン様が!?……ヌードン様はエイジオブ帝国を蹴散らしてマッホーウ法国を奪還する事を望んでいた筈では?」
ドウカァーがようやく喋り始めたが、豊臣秀吉がここまで
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