第5話:裏切り者対策が足りない……
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っては予想外の展開の様で、
「オラウ様!貴女は味方に何をしておるのです!?」
「その者は我々マッホーウ法国の兵士!何故その者にその様な無礼を!?」
「事と次第によっては、我々にも考えがある!」
あー……
つまり、現行犯逮捕にも拘らずこいつに裏切られる事をまったく想定していないと言う訳だ。
これは困ったぞ……これ、豊臣秀吉が居ようが居まいが、どの道ムソーウ王国はエイジオブ帝国に完敗するぞ!
と、私が思いかけたその時、
「この俺が、とっくに終わったマッホーウ法国に忠誠を誓う?この俺がそこまで現実を知らぬ馬鹿に視えるか……俺への侮辱もいい加減にしろよ!」
この裏切り者が馬鹿で良かった……
このままこいつが沈黙を守っていたら、私は乱心者として扱われて何も手出しが出来ない状態になってしまうところであった。
しかし、この馬鹿な裏切り者が頼んでもいないのに勝手に自白しおったわ。
「……お前……一体何を言っておるのじゃ……」
一方のドウカァー達は、まるでこの世に存在しない筈の物を見るかの様な感じで固まっておる。
……こりゃあ、本当の本気でムソーウ王国の戦術を根本から叩き治さなきゃならんなぁ……
「だが、賢い俺は違う。俺はちゃんとこの戦いがエイジオブ帝国の勝利で終わる事をちゃんと知っている。だから、ヌードンとか言う馬鹿女は生け捕りにしてエイジオブ帝国にくれてやったわ!」
……この裏切り者、本当に馬鹿だな!
本当に賢い奴は逆に自分の頭の悪さを目立たせるわ!能ある鷹は爪を隠すと言うしな!
それに、この場で自分の大将を敵に売ったって言うアホが何処の世界にいる!?あ、ここにいるか。
「何故だ……何故裏切った!?」
皆さん、さっきこの馬鹿過ぎる裏切り者が言いましたやん。
「どうせエイジオブ帝国が勝つから、エイジオブ帝国と組んだ方がましって考えていたでしょ?」
「そうだ!お前達の様な、マッホーウ法国の愚かさに気付いていないアホとは違ってな!」
それを私に組み伏せられている状態で言いますか?
豊臣秀吉的には、今の裏切り者の方がとんでもない馬鹿ですよ?
ま、とにかく……
豊臣秀吉が予想していた最悪の事態は回避ならずと言う訳だ……ただ、ヌードンの生死を除いては。
「それはそうと、ヌードン殿下を生け捕ったと言ったな?それはつまり、まだ生きている事を意味するのだな?」
「ああ……あの馬鹿女を意味も無く殺せば、かえってこのアホ共の士気が上がっちゃって、エイジオブ帝国を敵に回す事がどれだけ自殺行為かが解んなくなっちゃうからな。俺って、優しいだろ?」
馬鹿はお前だよ。
「だ……黙れえぇーーーーー!」
その証拠に、我慢の限界に達したドウカァーがこの口が軽過ぎる裏切り者の頭をかち割ってしまった。
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