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豊臣秀吉が異世界で無双系姫騎士やるってよ
第5話:裏切り者対策が足りない……
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た物であり、決してオラウの様な敵の空腹を気長に待てるズルい卑怯者には効果が薄いのだ。
「敵がこの砦を襲うのを待ち、防戦するふりをしながら撤退し、敵に砦を落としたと勘違いさせて更に敵の冷静さを奪う。それを繰り返しながら敵の疲弊を待ち、その間にこちら側の聖職者が敵の下っ端を次々と言葉巧みに転向を促し……の……筈だったのだあぁーーーーー!」
そこへ更にヨツメにとっては凶報がこの砦に届いてしまう。
「イナオリ様、イェニチェリを率いてこちらに向かって来るとの事です!」
「何でだよ!?奴は、イナオリは王室側近軍師だろ!なら、あのまま帝都に籠ってただひたすら作戦を考え……」
ヨツメのこの言葉は、イナオリ如きに手柄を横取りされたくないと言う思いがあった故に言った陰口の様なモノだったが、言ってる内に自分の言い分にある種の矛盾がある事に気付いてしまう。
「待てよ……帝都に籠ってひたすら作戦を捻り出し続けたから気付けたのか……あいつらが俺達の空腹を待っている事に……だから、イオナリの奴があいつらを危険視した?」
しかも、マッホーウ法国を攻め滅ぼした時ですら1度も使用しなかった特殊部隊イェニチェリを自ら率いてだ。
だが、これを悪く言うと、マッホーウ法国はイェニチェリを引き摺り出す事すら出来ず、まんまとエイジオブ帝国の作戦に簡単に引っ掛かって惨敗したのだ。
「つまり、イナオリはイェニチェリを使ってあいつらを一気に滅ぼし、後顧の憂いを消し去る事で、自分が考えた作戦が失敗した事を揉み消す魂胆か?」
それはつまり、ヨツメ隊がオラウ隊をイナオリが考えた作戦に引き摺り込めなかった事を意味する。ヨツメにとっては屈辱だ。
「これは不味い!何とかせねば!」

だが、焦ったヨツメが出した答えは……
「出撃じゃぁ!」
先ずは自分達が突撃をしてオラウ隊の突撃欲を刺激し、そのままエイジオブ帝国から賜った作戦に引きずり込むと言う……戦術に明るい者なら「無策」と口にしそうな本末転倒な作戦であり、就き合わされる部下達は不満げである。
「大隊長」
「なんじゃ!」
「これでは、我々の被害も甚大なのですが」
だが、帝都からイナオリとイェニチェリを引き摺り出したオラウに翻弄された無能な司令官と烙印を押される事を過剰に嫌がるヨツメには届かなかった。
「じゃあどうしろと言うのだ!?このまま俺達が空腹になってイナオリに手柄を奪われろと言うのか!?」
「それで勝てるなら」
本当にエイジオブ帝国に忠誠を誓っている兵士にとってはどうでも良い話である。つまり、勝てはよかろうなのだ。
しかし、オラウが図らずも植え付けた屈辱に耐えられなくなったヨツメにとってはどうでもよくない事だった。
だが……

ついさっきまでオラウ隊の野営地があった筈の場所にいたのは……何も無かった……
「何で……
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