第5話:裏切り者対策が足りない……
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イジオブ帝国の手に堕ちた植民地を見事に奪還なされたのですが―――」
「あー、もういい。今ので全て理解したから」
しまったなぁ!その手があったか!?
と言うか、そんなに急に敵国の領域を攻め落としたら、同行した一般兵が疲れ果てたり、再起不能な程の大怪我をしたり、戦死したりするだろ?
エイジオブ帝国はそれを見越し、疲れ果てている部下共に甘い邪な囁きを与えて裏切りを促す。
エイジオブ帝国にとっても損害が多い戦略ではあるが、上手く嵌れば手に余る強敵が勝手に自滅してくれる。
鎧袖一触と一騎当千を重んじる祖国と戦う上で、これ以上的を射ている戦い方はあるまい!
「何だと!?何時の間にかカミカゼ殿下の頭が無くなっていただと!?何でそうなる!?」
「我々にも解りません!カミカゼ様は野営地でおやすみなされていただけなのに、朝起きてカミカゼ様を呼びに往ったら、何故かカミカゼ様の頭が消えて無くなっておりました!」
伝令兵とドウカァーはこの状況を不思議そうに首を傾げておるけど、豊臣秀吉は最後まで聴かずとも事件の詳細が解る。
「カミカゼ兄上が率いる部隊に裏切り者がいて、その裏切り者が夜中の内にカミカゼ兄上を―――」
「ありえません!」
ドウカァーの奴、何を馬鹿正直に否定しておるのじゃ?
どっちにしろ、その寝静まった深夜に何かが遭ったのは確実だと言うのに。
「根拠は?」
「オラウ様!我々のムソーウ王国への忠誠心を疑って―――」
「その忠誠心や罪悪感を抜きに根拠を述べてみろ?カミカゼ兄上が率いる部隊に裏切り者が1人もいない理由を」
この点は徹底的に正さねばならん!
「ドウカァーが言う根拠無き楽観的な推測程、戦場にとってとてつもなく邪魔な物は無い!だからこそ!部隊を率いる指揮官は様々な事態を事前に予測し、敵軍が意表を突こうと卑劣なズルをしても即対応出来ねばならんのだ!それこそ!自分が率いる部隊を護る為の指揮官の責務だ!」
ん?
アニマの奴、どうも顔色が悪いぞ?
「どうしたのだアニマ?」
「……似てるんです」
アニマのこの言葉に、ドウカァーの馬鹿垂れは言ってる意味が解らないとばかりに首を傾げおった。
「似ている……何の事ですかな?」
すると、アニマが急に私に謝罪し始めおった。
「ごめんなさい!この事をもって早くに言えば良かったんだと思うけど、僕と一緒にこの国に逃げた人達から『祖国の恥を軽々しく口にするな』と釘を刺されていたから……言い訳だよね?そんなの」
何?そのふざけた釘は?
豊臣秀吉にとっては、助け舟を出した者への恩を仇で返したとしか思えぬ愚行よ。
と言うか、敗北だけが愚者の証ではないぞ。
お陰でマッホーウ法国がどれだけ弱いのかがハッキリと解ったわ!
マッホーウ法国……強大な
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