暁 〜小説投稿サイト〜
夢幻水滸伝
第三百四十六話 東西から南北へその十三
[1/2]

[8]前話 [1] 最後 [2]次話
「両手両足が凄まじく動いてな」
「強くなるのですね」
「ほうれん草の缶詰を食べただけで」
「筋肉までが」
「それで敵をノックアウトして」
 これがいつもの展開であるのだ。
「万々歳や」
「それはほうれん草農家の宣伝では」
「流石に有り得ないです」
「ほうれん草ではないのでは」
「実は麻薬では」
「そうも思ったわ」
 オコナー自身もだ。
「子供の頃な」
「副作用があるかも知れないですね」
「そうしたほうれん草を食べますと」
「どうにも」
「ああ、実際ほうれん草食べんとな」
 その水兵はだ。
「やられっぱなしやしな」
「やはり麻薬では」
「有り得ないかと、それは」
「ほうれん草とは思えません」
「お話を聞く限り」
「そやな、しかもそれまで威勢のよかった敵が」
 髭面の大男である、如何にもアメリカの漫画の悪役といった外見だ。
「やられてお母さんに助けを求めるんや」
「それは情けないですね」
「実に」
「やられてそれは」
「母親に助けを求めるなぞ」
「そうした展開や、しかし」
 オコナーは首を傾げさせこうも言った。
「何でか敵はほうれん草を食べへん」
「いつもやられているのにですか」
「ほうれん草を食べている相手に」
「それでもですか」
「食べないのですか」
「学習せんでな」
 何度同じ様に倒されてもというのだ。
「そうやねん」
「おかしな話ですね」
「それはまた実に」
「いつも倒されているのにそれは」
「学ばないのは」
「漫画やいうたらそれまでやが」
 スパゲティを食べながら話した。
「そうした奴や」
「そうなってはいけませんね」
「学ばないというのは忌むべきことです」
「それでは進歩しません」
「戦にも勝てません」
「負けても学ぶもんはある」
 オコナーは言った。
「ほんまな、そやからな」
「この度はですね」
「ニューメキシコ州の時以上にですね」
「堅固な防衛ラインを敷きますね」
「そうしますね」
「今以上にな」
 まさにというのだ。
「堅固に出来る限りな」
「していきますね」
「これから」
「そうしていきますね」
「そうするわ」
 確かな声で言ってだった。
 オコナーは防衛ラインに地雷も敷かせた、そして機関銃も増やした。そのうえで迫り来るであろう敵に備えさせた、そのうえで。
 ほうれん草を食べてだ、将兵達に話した。
「美味いな」
「はい、そうですね」
「実に美味しいです」
「そして身体にもいい」
「実にいい野菜や、ただな」
 調理されたそれをさらに食べつつ言った。
「食べても急に強くはならんな」
「そうですね」
「それはないですね」
「流石に」
「そやな」
 笑って話した、見れば誰もほうれん草を食べても
[8]前話 [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ