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夢幻水滸伝
第三百四十六話 東西から南北へその十二

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「それでこっちの世界でもそうして食べてるな」
「そうしています」
「我々も」
「今日の夜はそのほうれん草のバター炒めが出ますが」
「やはり缶詰ではありません」
「生のほうれん草を炒めます」
「そやな、それでその漫画でほうれん草食べるとな」
 缶詰のそれをというのだ。
「滅茶苦茶強くなるねん」
「そうなのですか」
「ほうれん草を食べると強くなるのですか」
「それだけで」
「それまではやられっぱなしやったのが」
 それこそ敵に全く歯が立たなかったのにだ。
「こっちの世界で言うと強力な術かけられたみたいになって」
「そうしてですか」
「急に強くなるのですか」
「術をかけられた様になり」
「そや、そしてな」
 そのうえでというのだ。
「敵に反撃してノックアウトや」
「それまでやられっぱなしだったのが」
「急に強くなってですか」
「そうなりますか」
「ほうれん草食べただけでな、それこそな」
 オコナーは缶詰と一緒に食卓に出ているスパゲティも食べている、カルボナーラであり実に美味い。
「強力な術か麻薬を使ったみたいに」
「いや、麻薬とは」
「それはまた極端ですね」
「ほうれん草が麻薬ですか」
「どうにもピンときません」
「そやろな、けどその漫画やとな」
 その漫画を知らないこの世界の者達に話すのだった。
「そや、それでほうれん草の缶詰はないか」
「出来るのでしょうか」
「果たして」
「やはりほうれん草はそのまま食べた方がいいのでは」
「煮たり炒めたりして」
「その方がいいのでは」
「そや、やっぱり缶詰にするよりもな」 
 オコナーもほうれん草の特質を考えて話した。
「その方がええな」
「そうかと」
「その方が美味しいでしょうし」
「そして栄養もあります」
「考えますと」
「何でも缶詰に出来るか」
 またコンビーフを食べた、そのうえで言った。
「そうも言えんな」
「肉や魚はいいですね」
「そして果物は」
「ですがほうれん草は」
「野菜ならトマトはいいですが」
「ほうれん草は無理があるな、しかしほうれん草を食べただけで」
 その水兵、顎がかなり出ていて小さなパイプを咥えている彼のその外見も思い出しつつ言うのだった。
「それまでの何倍も強くなるとかな」
「有り得ないかと」
「流石にそれは」
「幾ら何でも」
「極端過ぎます」
「そやな、ほうれん草は美味しくてや」
 実はオコナーの好物の一つである。
「栄養豊富やが
「それでもです」
「食べてそれまでの何倍も強くなるのは」
「流石にないです」
「まさに強力な術か麻薬ですね」
「そうなりますと」
「しかも瞬時にな」
 食べた瞬間にである。
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