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夢幻水滸伝
第三百四十六話 東西から南北へその八

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「間違いなく」
「そうですか」
「昨日の夜のうちにですか」
「撤退しましたか」
「そうしましたか」
「その様ね、だたね」
 ミッチェルは人の気配が消えた敵の陣地を見つつこうも言った。
「只のもぬけの空やないわ」
「まさか」
「トラップを置いていきましたか」
「そうしていますか」
「地雷を置いて」
 まず言うのはこの兵器だった。
「爆発物とかトラップもね」
「置いていきましたか」
「そうして撤退しましたか」
「そうだったのですか」
「そうやと思うわ、そやから」
 だからだというのだ。
「ここはね」
「慎重にですね」
「地雷やトラップを除去し」
「そして敵の陣地を占領しますか」
「そうしますか」
「そうしましょう」
 ミッチェルは自分から言ってだ、そしてだった。 
 自身が率いる兵達に慎重に敵陣地を占領させた、地雷やトラップは予想通りに存在していてその占領は確実であったが遅れた、それを見てだった。
 ミッチェルはロズウェルに入城してから自身の将兵達に話した。
「街の軍事施設にもトラップがあって」
「慎重に探し除去したので被害は出ませんでしたが」
「それでもです」
「探す分遅れました」
「除去のことも」
「時間稼ぎやったわね」 
 苦い顔でだ、ミッチェルはこうも言った。
「相手にとっては」
「左様ですね」
「そしてそれが成功しました」
「敵にとってはよかったです」
「いい足止めになりました」
「全く以てね、けれどロズウェルは占領したわ」
 ニューメキシコ州南東部の中心地であるこの街をというのだ。
「そやからね」
「はい、このままですね」
「他の部分を占領しますね」
「そうしますね」
「そして」
 そのうえでと言うのだった。
「テキサス州に迫るわよ、それでホイットマンさんは」
「こちらに向かっておられるとのことです」
 士官の一人が答えた、三十代の象人の女である。
「敵軍は既にです」
「撤退して」
「追い付けなくなったそうで」
「敵の動きが速くて」
「はい、ですがある程度攻撃は出来たそうです」
 それは可能だったというのだ。
「ダメージはです」
「与えられたのね」
「少しでも」
「それはええことね、それでなのね」
「追い付けなくなったことを見て」
 そうしてというのだ。
「一旦軍を集結させる為に」
「こちらに向かっているのね」
「はい」
 そうだというのだ。
「そうされています」
「わかったわ、ほなあたくし達はね」
 ミッチェルは自分達の行動のことを話した。
「ロズウェルを拠点として」
「そうしてですか」
「街を出てね」
 このロズウェルをというのだ。
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