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夢幻水滸伝
第三百四十六話 東西から南北へその七

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「そしてな」
「敵の後方を脅かす」
「包囲する様にもして」
「その動きをオコナーにも見せて」
「撤退させるで」
「そうして敵軍がいなくなったニューメキシコ州を掌握する」
「そうするで」
 こう言ってだった。
 ホイットマンは実際に軍をロズウェルの南東部敵の本拠地テキサス州との通路であるそちらに軍を向け航空隊で攻撃もした、それを見てだった。
 すぐにだ、オコナーは言った。
「敵は二十万、こっちは七万でな」
「囲まれるとですね」
「辛いですね」
「そのことは否定出来ないですね」
「そや」
 将兵達にその通りだと答えた。
「ほんまな」
「それではですね」
「ここはどうするか」
「防衛ラインは敷きましたが」
「それでもですね」
「勝てるかどうか」
 苦い顔での言葉だった。
「見極め時やな」
「流石に後方を遮断されると危ういです」
「勝てません」
「そうなってはです」
「とてもですが」
「後方にも兵を向けてるが」
 防衛の為であることは言うまでもない。
「やっぱり数はな」
「敵軍の方が多いです」
「装備もいいです」
「しかも率いておられるのは星の方です」」
「ホイットマン様です」
「勝てんわ、しかも正面にミッチェルの軍が迫ってる」
 オコナーはこのことも話した。
「あいつもあいつで強いしな」
「劣勢は否めなしですね」
「どうしても」
「左様ですね」
「そや、そうなるとな」
 オコナーは腕を組み考えた、自軍の鉄条網や塹壕それにトーチカと対空陣地で固めた防衛ラインを視察しつつ話した。
「折角防衛ラインを敷いたけどな」
「それでもですね」
「ここはですね」
「撤退しますか」
「そうしますか」
「それしかないわ、七万の軍をな」
 即ち自分達をというのだ。
「テキサス州まで撤退させるで」
「そうしますか」
「この度は」
「そうしますか」
「そや、そしてな」
 そのうえでというのだ。
「また戦うわ、撤退するんやったら今や」
「敵に包囲されないうちにですね」
「早々と撤退し」
「あらためて戦う」
「そうしますね」
「そうするんや」
 こう言ってだった。
 オコナーは後方を脅かされ包囲される前に撤退した、ロズウェルからテキサス州に使える移動手段を全て用いてそうした。
 ミッチェルは朝に敵陣地を見てだ、即座に言った。
「敵兵は撤退したわね」
「そういえば人影が見えません」
「それも全く」
「人がいません」
「これは」
「撤退したな」
 将兵達にこのことを話した。
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