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金木犀の許嫁
第十五話 真田家の人その十二

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「河豚も美味しかったですが」
「ケーキもなんだ」
「楽しみです」
「それじゃあ今から」
「食べましょう」
「そうしよう、皆で」
「ケーキも」
 こう話してだった。
 五人で今度はケーキを食べた、ワインはそのままだった。その中で真昼は幸雄に対して尋ねたのだった。
「ご趣味は何でしょうか」
「読書と音楽鑑賞とチェスですね」
「チェスですか」
「それと鍛錬です」
 こちらもだというのだ。
「食べ歩きもします」
「そうですか」
「お酒も好きですし」
「ワインでしょうか」
「ワインも好きですが」
 そのワインを飲みつつ言った。
「焼酎も好きです」
「そちらのお酒もですか」
「はい」
 そうだというのだ。
「お米の方もお芋の方も」
「どちらの焼酎もですか」
「好きでして」 
 そうであってというのだ。
「よく飲みます」
「そうですか」
「ご先祖様はお好きと聞いて」
「幸村様がですか」
「はい、焼酎がです」
 これがというのだ。
「お好きと聞いて」
「飲まれて」
「美味しかったので」
 そう感じてというのだ。
「それで、です」
「飲まれていますか」
「そうしています」
 こう真昼に話した。
「焼酎も」
「幸村様焼酎お好きだったんですね」
「和歌山でもよく飲まれていたとか」
 浪人であった頃である、高野山に軟禁状態にあってそこで大坂の陣まで先が見えない日々を送っていたのだ。
「そう聞いています」
「そうだったんですね」
「はい、それで焼酎を飲む時は」
 真昼にさらに話した。
「おつまみは和食です」
「そちらですか」
「枝豆や冷奴やお刺身で」 
 そうしたものを肴にしてというのだ。
「飲んでいます」
「それいいですね」
「お酒は好きでして」
 それでというのだ。
「一週間に一回はです」
「飲まれていますか」
「そうしています、ただ毎日はです」
「飲まれないですか」
「飲み過ぎは悪いので」
 身体にというのだ。
「ですから」
「それはいいことですね」
 真昼は幸雄の言葉を聞いて確かにと頷いた。
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