第十五話 真田家の人その七
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「やっぱり同じ」
「小さくないですか」
「軍服でブーツでも」
佐京自身ブーツに言及した。
「それでも」
「周りも同じで」
「遜色ない」
「普通の背丈ですか」
「むしろ高く見える時もある」
「そうなのですね」
「そうした場合もある」
小男と呼ばれていても違うということがだ。
「時として」
「そうですか」
「正直人の背は大したことない」
「問題としてですね」
「時代や場所によって違うから」
「絶対じゃないですね」
「俺はそう思う」
こう妹に述べた。
「何でもないと」
「そうですか、私はあと少しです」
「高くなりたいんだ」
「はい、あと五センチは」
それ位はというのだ。
「欲しいです」
「そうなんだ」
「昔のことを聞いても」
それでもというのだ。
「今は違うので」
「そした考えで」
「そうです。小さいよりも」
「大きい」
「そう、ただ」
「ただ?」
「プロレスラーの人みたいにはです」
そこまではというのだ。
「大きくなくていいです」
「女の人でも」
「はい、女の人でもです」
所謂女子プロレスである、こちらのプロレスも人気があり固定ファンが存在しているのだ。これは昔のことである。
「大きいので」
「それでなんだ」
「はい、あそこまではです」
「大きくならなくていいんだ」
「はい」
そうだと兄に答えた。
「別に」
「あと五センチ」
「程々でいいです」
こう言うのだった、そうした話をしている中でだ。
その真田家の人が来た、眼鏡をかけて穏やかそうな顔立ちで髪型も七三分けで真面目そうである。背は一七二程で痩せている。
その彼が家に来てだ、四人に玄関で頭を下げてから言った。
「真田幸雄です」
「はい、宜しくお願いします」
「こちらこそ」
佐京に礼儀正しく応えた。
「お願いします」
「あの、畏まられるのは」
佐京はその彼真田幸雄に畏まって応えた。
「止めて下さい」
「元々こうした風なので」
「誰に対してもですか」
「はい」
穏やかな口調で答えた。
「そうです」
「そうなのですか」
「はい、ですから」
それでというのだ。
「お気になさらずに」
「そういえば」
ここで白華が言ってきた。
「幸村様は戦の時以外は非常に謙虚で穏やかだったとか」
「それじゃあ」
佐京は妹の言葉を聞いて言った。
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