第二章
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「ちょっと驚いたわ」
「吸血鬼って世界中にいるしね」
「日本にもいるからね」
「山だと首が飛ぶろくろ首で」
「海だと磯女とかよね」
「ええ、川にもいるし」
アスカはこちらにもと話した。
「濡れ女とかね、あれはないわ」
「ああ、あの下半身が蛇の」
「三百メートルあるっていう」
「あの妖怪ね」
「あれはないわ」
真顔で言うのだった。
「出会ったら終わりね」
「それだけ長くて一気に伸びてくるから」
「逃げられないわね」
「血を吸われて終わりね」
「ええ、ただいる場所がわかっているから」
川だというのだ。
「そこに近寄らないといいわね」
「そうよね」
「新潟県に出るのよね」
「九州の海にも出るっていうけれどね」
「そうみたいね、そっちは頭が女の人で」
身体が蛇であるのだ、下半身だけではなく。
「濡れ姫っていうらしいけれど」
「何か九州の海って吸血鬼多いわね」
「どういう訳か」
「不思議と」
「海は疎いけれど」
アスカは口をへの字にさせ腕を組んで述べた、クラスの中で三人で一人の卓を囲んでそれぞれの椅子に座っている。
「日本も吸血鬼多いわね、鬼婆だってね」
「あれも吸血鬼に入るの」
「安達ケ原に出たっていう」
「そうなの」
「そうよ、あんた達文芸部で」
友人達の部活の話もした、アスカも文科系の部活に所属している、そしてそちらでも学園生活を満喫している。
「そういうことにも詳しいけれどね」
「泉鏡花とか小泉八雲読むしね」
「そうした作家さんって妖怪もの多いしね」
「それで今こうしてお話してるけれど」
それでというのだ。
「あの鬼婆もね」
「吸血鬼なのね」
「欧州では」
「ええ、人を食べるだけでなく」
それに加えてというのだ。
「血も飲んでた感じだし」
「だから吸血鬼なのね」
「そうなるのね」
「吸血鬼って人食べる種類もいるのよ」
ただ血を吸うだけでなくというのだ、そして。
ここでだ、アスカは顔を真っ青にさせて友人達に話した。
「ドイツにも吸血鬼出て」
「世界中に吸血鬼いて」
「ドイツにもいるのね」
「そういえばポーランドとドイツお隣だし」
「本場に近いから尚更ね」
「そう、それでね」
そうした国でというのだ。
「バーニィっていう吸血鬼も食べるから」
「人を」
「そうするのね」
「もう吸血鬼か食人鬼かわからない位よ」
この吸血鬼はというのだ。
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