第五章
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「城に監禁されて死んだっていうけれど」
「大貴族で処刑出来なくて」
「側近達は処刑されたけれどな」
「その人は処刑されなくて」
「一生幽閉されたってあったな」
「幽閉されてるお城の上に縛り首の台が四つ置かれて」
それで本来は処刑されるべき人間だと示されたという。
「窓も何もない真っ暗な部屋で空いたところから食事だけ貰って」
「生きてたんだよな」
「ずっと」
「けれど本当に吸血鬼になっていて」
そうしてというのだ。
「蝙蝠になって逃げたってな」
「言われてるのかよ」
「まさかな」
「公式には死んだってあるけれどな」
それでもというのだ。
「そうも言われてるんだよ、そして今も」
「生きてるのかよ」
「吸血鬼として」
「そうもな、それで今もだよ」
とうの昔に歴史上の人物になっているがというのだ。
「人を殺してな」
「血の風呂に入る」
「そうしようとしてるか」
「その様にな」
「言われてるんだな」
「今も」
「本当にハンガリーだとな」
母国ではとだ、チヨは言った。
「そこまでだよ」
「怖がられていてか」
「画像送ったら駄目だったか」
「飛び起きて絶叫してな」
そうなってというのだ。
「先輩達心配させたよ」
「そうだったか」
「それは悪いことしたな」
「起こしてもらって悪いけれどな」
またこう言うのだった。
「注意してくれよ」
「それじゃあな」
「明日からアイドルの女の子の画像送るな」
「いや、自分で起きるよ」
そうするとだ、チヨは友人達に答えた。
「スマホの振動だけで結構起きたし」
「ああ、振動か」
「お前そっちで起きたか」
「だから自分のスマホの目覚ましをな」
この機能をというのだ。
「振動にしてな」
「起きるか」
「そうするんだな」
友人達も応えた。
「それじゃあな」
「頑張ってくれよ」
「そうするな」
チヨは笑顔で応えた、だが。
ここでだ、彼女は友人達にこうも言ったのだった。
「何か日本じゃ今も吸血鬼は夜しか動かないって思ってる人多いけれどな」
「違うよな」
「実はな」
友人達もそれは違うと応えた。
「昼だけしか動かない種類もいてな」
「ドラキュラ伯爵も普通にお日様の下にいたしな」
「実は違うよな」
「そうだよな」
「そうだよ」
実際にというのだ。
「これがな」
「昼行動する吸血鬼もいて」
「夜だけ用心していいんじゃないよな」
「そうだよ、日本にも吸血鬼いてな」
チヨもこの話をした。
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