第一章
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禁断の名前
ハンガリーから日本の八条学園高等部に留学してきているアドリアン=チヨやや茶色がかった髪の毛を肩の長さにして右上を髷にしている気の強そうな顔立ちで茶色の目と引き締まった口元を持つ彼女は今悩んでいた。
「最近起きられないのよね」
「朝弱いか?」
「そうなの?」
「それで同じ部屋の先輩に起こしてもらってるけれど」
同じクラスの男子の友人達に話した、背は一七〇ありがっしりした体格だ、青のブレザーにグレーのスカートと白いブラウスに黄色いネクタイという制服である。
「迷惑かけてるしな」
「その自覚あるからか」
「自分で起きたいか」
「どうしても」
「そうなんだよ」
こう言うのだった。
「どうしたものか」
「そうだな、それじゃあな」
「俺達が協力しようか?」
友人達はチヨにこう言った。
「同じクラスの誼でな」
「そうしようか?」
「いや、あんた達自宅生だろ」
チヨは友人達にどうかという顔で返した、チヨ達はそれぞれの椅子に座って話している。
「あたし寮生だよ、外国人の女子寮でな」
「スマホ使うんだよ」
「そうすればいいだろ」
友人達はいぶかしむ顔になったチヨにこう返した。
「そっちに起きる時間に画像か音送れる様にするよ」
「スマホ枕元に置いたらそれで起きられるだよ」
「そうしてくれるのか?悪いわね」
チヨは友人達の提案に笑顔で応えた。
「それは。ただな」
「ただ?」
「ただって何だ?」
「音はな」
これはというのだ。
「ちょっとな、先輩達がおられるだろ」
「ああ、同じ部屋にな」
「うちの学園の寮ってそうだな」
友人達もそれはと応えた。
「一年二年三年でな」
「一人ずつ三人部屋だったな」
「先輩二人おられるだろ」
チヨは一年生としても話した、右手の平を胸の高さで上にして話した。
「どちらの人もいい人だけれどな」
「迷惑かけたくない」
「そうなんだな」
「だから起こしてもらうのもな」
最初に言ったこのこともというのだ。
「悪いって思ってだよ」
「悩んでるんだな」
「そうなんだな」
「ああ、だから起こしてくれるならな」
それならというのだ。
「頼む立場で悪いけれどな」
「音は駄目か」
「そっちは」
「それで部屋に目覚ましも置いてないしさ」
こちらも音が出るからなのは言うまでもなかった。
「出来たら画像で頼むな」
「ああ、わかった」
「じゃあそうするな」
「画像にするな」
「それ送るな」
「頼むな、着いたら振動する様にするから」
チヨはここでも音には注意した。
「宜しくな」
「それじゃあな」
「いい画像送るな」
「頼むな、それでどんな画像送ってくれるんだよ」
チヨは今度は
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