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魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
XV編
第199話:新たなる幹部
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おけ」
「あいよっと」
颯人と輝彦がこっそり話し合っている間に、空母の甲板では戦いの趨勢が決しつつあった。3人の活躍によりアルカノイズはその数を大幅に減らし、生き残っていた米兵も何人かは助けられた。そして海中から突如出現した大型のアルカノイズも、切歌の一撃によりその身を赤い塵と散らせて大海原へと消えていった。
あと少し……そう思った直後、大型アルカノイズを仕留めた切歌に何かが襲い掛かろうとしたのをガルドが目撃した。
「切歌、伏せろッ!」
「えっ!?」
まだ攻撃に気付いていない切歌に駆け寄ったガルドは、咄嗟に槍を構えてその一撃を受け取める。かなりの衝撃を感じたが、それでも耐えられない程ではなく切歌を守り切る事が出来た。
「くっ!」
「ガルドッ!」
「誰ッ!」
切歌に襲い掛かろうとし、ガルドによって防がれたのは四角い鞄の様な何かだった。まるで赤い牙を持つ怪物の様な鞄は、ガルドに防がれるとその使用者の元へと戻っていき口を開いてコードのような物を中へと収納した。
「あれが、アルカノイズを使用した?」
「錬金術師か……」
そこにいたのは1人の少女だった。毛先が白い桃色の髪の黒いコートを着た少女。それだけであればこの場に居る事以外気になる事はないのだが、その少女の外見には一か所だけ明らかに異常と言える部位が存在していた。
それは……
「あれは……耳?」
その少女の頭には、一見すると髪型の様にも見える犬の耳が存在していた。マリアが似たような髪型をしているので思い違いかとも思ったが、よく見ていると明らかに海風に逆らう動きをしている。まず間違いなく神経が通い自分の意志で動かせる耳を頭部に持つ少女に、ガルドが仮面の奥で訝しげな顔をしているとその少女が口を開いた。
「私めが相手であります」
そう言うと少女は、一目散に近くの甲板上に出来た裂け目へと駆けていきその中に飛び込もうとした。それを見てガルドは咄嗟に魔法の鎖を伸ばして少女の動きを妨害しようとした。この広い甲板上ならともかく、狭い艦内だとガルドや切歌は特に立ち回りを制限されてしまう。かと言ってこの場で見逃せば、折角回収した遺骸を持っていかれてしまうだろうから放っておく事も出来ない。
最善なのは、この場に留めて無力化する事であった。
「逃がすか……!」
ガルドがバインドの魔法で少女を拘束ないし足止めしようとした。
その時、突如前方から刃が飛び出し彼の胸を突き後ろに押し倒した。
「ぐぉぁっ!?」
「「ガルドッ!?」」
突然の事に切歌と調が彼を助け起こす。幸いな事に刃は鎧に防がれた為、ガルド自身には大きな問題はない。が、しかし……
「ふん、頑丈な奴め」
「えっ!?」
「コイツは…
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