第30話
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それじゃあ??は……ッ!」
「……ッ!何でだ、チョウ!何でギエン爺さんに全て押し付ける交渉――――――いや、ギエン爺さんを裏切ったんだ、チョウ……!テメェも死んだツァオ共々爺さんから受けた恩もあるだろうが……!」
「アーロン……」
一方話を聞いていたアシェンは悲痛そうな表情で声を上げ、唇を噛み締めた後厳しい表情でチョウを睨んで問いかけるアーロンをユエファは静かな表情で見守っていた。
「”裏切った”等とんでもない。先程も言ったように、私は黒月の一員として、そして私の主家であるルウ家の為の交渉をしたまでですよ、アーロン。その結果、ルウ家の現当主たるギエン様が今回の”不祥事”を起こしていながらも”ルウ家自体はメンフィル帝国に責任を問われることなく、次期当主たるファン大人の長老就任を他の長老の方々も認めた上で、ルウ家はギエン様以外の長老達に大きな貸しを作った”のですから。」
「抜かしおるわい……”初代白蘭龍”にして唯一の血縁者でもあったツァオをメンフィルとクロスベルの謀によって殺されたヌシが、まさかメンフィルと組んで儂を謀るとはな、チョウ……!ツァオを殺した仇であるメンフィルと手を組む等、ヌシには”誇り”もないのか……!?」
「……ッ!」
「アシェン……」
アーロンの指摘に対して肩をすくめて答えた後片手で眼鏡を軽く持ち上げたチョウを睨んで声を上げたギエンの話から出て来たある人物の名を聞いて辛そうな表情を浮かべて顔を俯かせているアシェンに気づいたマルティーナは心配そうな表情でアシェンを見つめた。
「”敵対組織”と手を組んだギエン様にだけはそれを言われる筋合いはないかと思いますが………仮に私とツァオの立場が逆で、この場にいるのがツァオでも同じことをしましたよ。」
「……父上――――――いえ、”ギエン・ルウ殿”。アルマータや”大君”の件もそうですが、長老の権限を濫用してガウランに”一般人であるマルティーナ”を襲撃させ、その結果黒月でも有数の使い手であるガウランや監視の構成員達が重傷を負わされた不祥事………黒月としてとても見過ごせる事ではありません。ギエン・ルウの”長老”並びにルウ家当主の権限剥奪、併せて私のルウ家当主並びに”長老”就任が他の長老達全員一致の元、決定しました。………心苦しいですが、どうかお覚悟を。」
「??……!?」
ギエンの指摘に対してチョウが苦笑しながら答えた後ファンが真剣な表情でギエンを見つめて宣言した後複雑そうな表情を浮かべ、ファンの宣言を聞いたアシェンは信じられない表情で声を上げた。
「そして”かつて所属していた組織を滅ぼした元凶”にも関わらず、主への忠義のためだけに主が降ったメンフィルの”犬”となった
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