第30話
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れた”当初の指示は黒月の長老達全員を徹底的に痛み付けて、メンフィル帝国が敵と認識した組織と手を組んだ事でメンフィル帝国の民達の命を奪った代償をその身に刻み付ける事だ。”」
「しかも”仮に私達による徹底的な痛めつけで命を失っても構わない”との事だったから、メンフィル帝国は今回の一件、黒月の長老達に対して相当な怒りを抱いていたのでしょうね?」
「最もラギール商会経由で私達の要請を知ったそこの”二代名白蘭龍”が”長老達が受ける被害を最小限にした上で、自身が仕えているルウ家が得られる利益の交渉”という小賢しい事をしてくれたお陰で、指示内容も変更されたのですけどね。」
「ふふっ、私は黒月に所属している一員として、そしてルウ家にお仕えしている者として当然の事をしたまでです。」
アイネスとエンネアの説明の後にジト目のデュバリィに視線を向けられたチョウは口元に笑みを浮かべて答えた。
「ちょ、”長老達が受ける被害を最小限にした上で、ルウ家が得られる利益の交渉”って一体どんな交渉をしたの、チョウ……?」
「……………………」
「……なるほどな………”儂はチョウに謀られ、他の長老達によってメンフィルに売られた”という事か。」
話を聞いていてある事が気になったアシェンが不安そうな表情でチョウに訊ねている中事情を知っているファンは重々しい様子を纏って黙り込み、全ての事情を察したギエンはチョウを睨んで厳しい表情で推測を口にした。
「”メンフィルに売られた”という事はまさか………」
「”ルウ家の現当主であるギエン老が今回の一件の全ての責任を押し付けられた”という事か。」
「?ですが、そちらの老人に”全ての責任を押し付ける事のどこがルウ家の利益”になるんでしょうか?そちらの老人が”ルウ家の当主”なのですから、”ルウ家”は”利益”どころかむしろ逆に”損害”を受ける事になると思うのですが……」
「”ルウ家が得られる利益”とは恐らくは他の長老達の責任をギエン老が全て負う事によって、ルウ家が他の長老達に対して大きな貸しを作る”事かと。」
「デュバリィ君達もそうだが、もしかしたらデュバリィ君達の”主”も出て来て自分達が徹底的に痛めつけるなんて話、黒月の長老達にとっては”大君の降臨以上に恐怖の出来事”だろうから、その出来事を自分達の代わりに全て肩代わりする事になったルウ家の現当主――――――つまり、ルウ家に対して長老達は大きな”借り”ができる事で、ルウ家の黒月内での立場はより強固になるという事だろうね。」
ギエンが呟いた言葉を聞いて察しがついたタリオンは真剣な表情を浮かべ、マーティンがタリオンが口にしようとしたことの続きを口にし、リタの疑問にクレアとアンゼリカが答えた。
「そ、そんな……!?
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