第30話
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シェン達の登場にアーロンやアニエスが呆けている中ヴァン達を見回して安堵の表情を浮かべたエレインはヴァン達に自分達の方の状況を説明した後真剣な表情でデュバリィ達を見回し、エレインの言葉に続くように推測を口にしたクレアは静かな表情でマルティーナを見つめた。するとその時ファンが前に出てギエンに声をかけた。
「……”大君”の件は聞いていましたが敵と交渉して今回の段取りをするとは。いかに長老会とはいえ、あまりに独断が過ぎましょう。」
「だから話さなかったのだ。ヌシは確かに次代の長老だが、足りぬ所もまだまだ多い。」
ファンの非難の言葉に対して答えたギエンはファンに指摘した。
「ええ、貴方と比べればいまだ未熟……――――――ですが”力”を借りる術はそれなりに身につけているつもりです。」
「………そのようだな。」
しかしファンの答えを聞いたギエンは周囲の人物達――――――ヴァン達やエレイン、エースキラー、そしてエリザベッタに視線を向けて静かな口調で呟いた。
「それから父上。”貴方方長老会はメンフィル帝国をあまりにも甘く見過ぎています。”異世界にあるメンフィル帝国の”本国”――――――政府もそうですが皇家も”今回の一件が貴方方長老会の企てである事も全て把握しておりました。”」
「―――――馬鹿なっ!?メンフィルがどうやって、我等長老会による内密の計画を把握した……!?」
しかし覚悟を決めたかのように決意の表情を浮かべて答えたファンの口から語られた驚愕の事実にその場にいる多くの者達が血相を変えている中ギエンは信じられない表情で声を上げた。
「ふふっ、かつて所属していた結社がメンフィル帝国によって滅ぼされた私達が言うのもどうかと思うけど、3年前の”ヨルムンガンド戦役”時のゼムリア以上に今も混沌とした世界となっている異世界(ディル=リフィーナ)で大国として今も存続し続けているメンフィル帝国の諜報能力を甘く見過ぎていたようね。」
「加えて今のメンフィル帝国にはゼムリア大陸にも相当な諜報能力がある組織と協力関係を結んでいる。そちらへの警戒も疎かになっていたようだな?」
「”ゼムリア大陸で相当な諜報能力がある組織でメンフィル帝国と協力関係を結んでいる”………――――――”斑鳩”の”忍び”達か。」
静かな笑みを浮かべて答えたエンネアの後に答えたアイネスの話から出て来たある組織について心当たりがあるヴァンは真剣な表情で呟いた。
「僭越ではありますが、ここからは私の方から説明させて頂きます。」
するとその時チョウが軽く会釈をした後話を続けた。
「メンフィル帝国がいかなる手段で我々にも内密で今回の一件を企てたギエン様達長老会の企てを把握したのかは不明ですが………今回の一件、メンフィ
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