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夢幻水滸伝
第三百四十六話 東西から南北へその二

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「今の戦局は不本意や」
「全くですね」
「撤退に次ぐ撤退です」
「敵軍の進撃に対して」
「そうした状況です」
「そやからな」
 だからだというのだ。
「ほんまな」
「不本意ですね」
「実に」
「我々にとっては」
「そや、しかしな」 
 それでもとだ、オコナーは強い顔と声になってこうも言った。
「あちき達としては」
「諦める選択肢はないです」
「それは」
「それこそ全く」
「そや、やるしかない」 
 こう言うのだった。
「戦となれば」
「左様ですね」
「勝つしかないです」
「行うとなると」
「そやさかい」
 戦はそうしたものだからだというのだ。
「今は不本意な状況でも」
「諦めない」
「最後まで戦いますね」
「そうしますね」
「そして」
 そのうえでというのだ。
「最後に」
「勝ちますね」
「そうしますね」
「絶対に」
「そうすればええ」
 確かな声で将帥達に話した。
「ここはな」
「そうすべきですか」
「このままこのアルパカーキに止まらず」
「ロズウェルにまで退き」
「そうしてですか」
「そのうえで戦うべきですか」
「そうかもな。このままではそのロズウェルにホイットマンさんの軍が来て」
 そうなってというのだ。
「ミッチェルの軍もおるしな」
「州の大部分が敵の手に落ちて」
「我々だけとなりますか」
「そうなってしまいますか」
「そうなったらな」
 そうした事態に陥ればというのだ。
「もうな」
「はい、袋の鼠になりますね」
「囲まれてしまいます」
「そうなってしまえば」
「終わりや、そやから今のうちにな」
 ロズウェルがまだあり包囲もされていないうちにというのだ。
「ロズウェルまで撤退するで」
「わかりました」
「それではそうしましょう」
「これより」
「その様にしましょう」
 将帥達もそれではと頷いた、こうしてだった。
 オコナーは自身が率いるアルパカーキとその周辺から軍を撤退させることにした、まだ勢力圏にあるロズウェルまでだ。
 その動きは迅速だった、だが彼が動きはじめたその時にだった。
 ホイットマンは自身が攻めんとしているラスクルーシスを前にしてだ。乗っているホワイトバファローに言った。
「ほな一気に攻めるさかい」
「私がですね」
「おいらを乗せてな」
 即ちこのままというのだ。
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