第三幕その五
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バターコーンにジャガイモを煮て皮を剥いたもの、ホワイトシチューに沢山のゆで卵、煮られたソーセージ達にハムニベーコンのステーキ、七面鳥の丸焼きにスペアリブ、パンにプリンに果物達があります。おばさんはそれ等を前に申し訳なさそうに言いました。
「粗末なものだけれど」
「とんでもないわ」
ドロシーはおばさんの言葉をすぐに打ち消しました。
「とても素敵なご馳走よ」
「そうかしら」
「ええ、大変だったわよね」
こうおばさんに言うのでした。
「二人でここまで用意するなんて」
「いや、あんた達いつも宮殿で食べてるでしょ」
「ご馳走を?」
「それと比べたら」
「あの、そういう問題じゃないから」
ドロシーはまたおばさんの言葉を打ち消しました。
「ちゃんと作ってくれてるしそれに」
「それに?」
「心が籠っているから」
だからだというのです。
「素晴らしいわ」
「ご馳走だよ」
トトも言います。
「これ以上はないまでの」
「そうかしら」
「そうだよ」
おばさんに尻尾を振りながらお話します。
「これはね」
「そうだといいけれど」
「いや、そう言って貰えるならだよ」
おじさんも言います。
「わし等も嬉しいが」
「あれかな。メニューが質素だからかな」
「ああ、わし等がいつも食べている」
「そのいつも食べているものがいいんじゃないかな」
「いいのか」
「うん、ちゃんと作っていてね」
そうしてというのです。
「心も篭っているから」
「だからか」
「いいと思うよ」
「そうなのか」
「ご馳走は心でしょ」
ドロシーはおばさんとおじさんに微笑んでお話しました。
「それが籠っていればね」
「こうしたものでもなの」
「農家で皆がいつも食べている様なものでもかい」
「ご馳走よ。凄く美味しそうよ」
こうも言うのでした。
「だからね」
「それでなの」
「これからか」
「ええ。皆でね」
是非にというのです。
「いただかせて」
「そう言ってくれるなら」
「わし等も嬉しいよ」
「それじゃあね」
「今から楽しんでくれよ」
「それじゃあね」
こうお話してでした。
皆で席に着いておばさんとおじさんが心を入れて作ったものを食べました、林檎や葡萄のジュースにシードルそれにワインもあります。
皆それぞれ食べてです、言いました。
「美味しいね」
「そうだね」
まずはモジャボロと弟さんが言いました。
「ジャガイモいいよ」
「バターコーンもだよ」
「これはいい」
教授はシチューを口にして言いました。
「幾らでも楽しめるよ」
「ソーセージ美味しいよ」
トトはソーセージを食べています。
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