暁 〜小説投稿サイト〜
オズのエマおばさん
第三幕その三

[8]前話 [2]次話
「旅行なんてね」
「行かないよね」
「お二人の願いは」
 ドロシーはこうも言いました。
「ずっと農業をやってね」
「慎ましく暮らせたらね」
「それでいいというものだったから」
「それがオズの国に来て適ってね」
「それでね」
 そのうえでというのだ。
「満足しているから」
「旅行もしなくてお食事だってね」
「質素なのよ」
「そのお二人にね」
「楽しんでもらいましょう」
「今回もね」
 トトも是非にと言います、そうして皆で歩いていきますがふとでした。
 右手の野原のところに鹿の群れを見てです、ドロシーは言いました。
「オオツノシカだけれど」
「あれっ、オオツノシカって確か」 
 カルロスはその大きな角を持つ鹿を見てドロシーに続きました。
「オズの国にいることは知っていましたけれど」
「ここにもいたんだ」
 ジョージもオオツノシカの群れを見て言います。
「エメラルドの都に」
「マンチキンとかギリキンにいても」
 神宝も言います。
「エメラルドの都にもいたんだ」
「毛の色は緑色だし」
 それでと言う恵梨香でした。
「エメラルドの都にいるってわかるけれど」
「それでもね」
 けれどと言うナターシャでした。
「いるとは思わなかったわ」
「マンチキンの平野から入ったのよ」
 ドロシーが五人に答えました。
「そうした群れが出てね」
「それでなんですか」
「今はエメラルドの都にもいるんですか」
「オオツノシカは」
「そうなんですね」
「そうなっているんですね」
「オズの国はそれぞれの国があるけれど」
 それでもというのです。
「国境とかないでしょ」
「そうですよね」
「国境はないですよね」
「大きく分けて五つの国がありますけれど」
「エメラルドの都にマンチキン、ギリキン、ウィンキー、カドリングって」
「その中にも沢山の国があって」
「けれどね」 
 そうした国であってもというのです。
「オズの国は全体で一つの国だからね」
「国境はないですよね」
「多くの国々との間に」
「だから自由に行き来出来ますね」
「誰でも」
「それでよ」
 その為にというのです。
「オオツノシカの群れの一つも入ってよ」
「そうしてなんですね」
「エメラルドの都にいますね」
「そうですね」
「それで身体の色も変わったんですね」
「マンチキンの青から」
「そう、エメラルドの都の緑にね」
 まさにというのです。
「なったのよ」
「そうなんですね」
「青から緑にですね」
「身体の色が変わったんですね」
「エメラルドの都に入って」
「そうなったんですね」
「オズの国の生きものはその国に入るとね」
 それぞれの国にというのです。
[8]前話 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ