第三章
24.求めるは友の姿
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過剰に警戒するのはやめ、踏み込んでいく。
「ああ゛っ」
また腹部に入り、火花が散る。
「うぅっ」
脚からも火花。
痛みに耐えかね脚をかばうように体を折ったところを、今度は上から斬っていく。
「ぐぅあっ」
今度は上腕。
慌ててバーサーカーが体勢を戻そうとするも、盾を構え直される前にカインは素早く斬撃を繰り出した。
「ん゛あ゛あっ!」
胸を斜めに斬られ、筋に沿って火花を散らす。
ますます鋭さを増していくカインの斬撃。対して、バーサーカーの少女はダメージの蓄積でどんどん動きが鈍くなっていく。
とうとうカインが一方的に斬るだけとなった。
「あ゛ああっ!」
「ぐぁ゛アッ!」
「ん゛ぁああッ!」
隼の剣が密着型の服を斬り、火花を散らす音。バーサーカーの少女の苦しそうなあえぎ声。それだけが続く。
そしてカインはひときわ深く踏み込み、仕上げのようなかたちで下から鋭く隼の剣を振った。
全身を滅多切りにされフラフラとなっていた彼女に、避ける術はなかった。
「う゛あ゛あ゛ああああッ――!」
強烈な振り上げだった。
下腹部から腹部、胸部まで一直線に斬られて線状に激しく火花を散らし、体を反らしながら空中を舞うバーサーカーの少女。
後方に墜落すると、そのまま雪の上で転がった。
「っ……はあ゛っッ……んあ゛っッ……ぁ……ぅう……」
うつ伏せに近い状態で一度止まると、うめき声を漏らし、手足をもがくように動かし始めた。
体に密着している服は、体の線をくっきりと浮き出させていた。必死に全身に力を入れようとしているため、肩や腕、臀部、脚の筋肉が、若さゆえの柔らかな曲線を残しながらも、かなり鍛えられているであろうことがわかる。
が、すぐには起き上がれないように見えた。いくら鍛えようとも、いくら服が頑丈でも、それを突き抜けてくる痛みや体の奥へのダメージはどうしようもない。
「この隙に、っと」
バーサーカーの少女が体勢を立て直す前に、カインは手際よくキラーマシンを攻撃し、停止させていく。
あっという間だった。
よし。これでロスのところに――。そう思ったが。
「ま、待て」
やや弱々しかったが、声が聞こえた。
「あれ、起きあがってる」
驚いていると、また少女が斧で襲いかかってくる。
しかしもはや、無傷なカインの敵ではなかった。
「う゛っ……! うぐぁっッ……!」
二回続けての軽快な斬り。胸部をクロスに斬る。
胸から火花を散らしながらバーサーカーの少女がよろめく。
稼働キラーマシンがいなくなったことで、間合いを取ることが可能。
カインは後ろに飛んで距離を確保する
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