第3話:ピカチュウの慈愛
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ーティヒは、その隙にとばかりに追撃者に突き飛ばされた。
「退け!」
グートミューティヒを突き飛ばした追撃者達は、勝ち誇ったかの様な邪な笑みを浮かべながら瀕死のツツケラに止めを刺した。
その行為には躊躇も罪悪感も無い……
只々普通に食事をするかの様に、いつも通りを行っている感覚で……
「へへへやったぜ♪」
グートミューティヒは疲れ果てていた……
どんなにグートミューティヒが頑張ってもポケモンが他のモンスターと同じ極悪害獣として扱われ、ポケモンがどれだけ虐殺されても大衆や世論の心は痛まず、寧ろポケモンを虐殺した者達が英雄視されて称賛される……
万人一色の同調圧力の前では、たった1人の善意は無力なのか……
そんな後ろ向きで消極的な良くない考えに、グートミューティヒは支配されかけた。
だが、
「俺達って、結構モンスター退治に向いてねぇか?」
「ああ!さっきの奴も俺達を見た途端に逃げやがってさ」
「もしかしたらよ、このままモンスターを次々と斃して経験値を稼いでいけば……」
「あるんじゃねぇ!勇者マドノ越え!」
「おおぉーーーーー!」
無抵抗に逃げてただけのツツケラを何の躊躇いも無く英雄気取りで虐殺した連中の分不相応で自信過剰な言葉が、グートミューティヒの燃え尽きた筈の怒りの炎に油を注いだ。
「……いい気なものだな……」
「あぁん?何か言ったらそこの小娘?」
「ツツケラの事……何も知らない癖に……」
けど、上機嫌で有頂天になっている連中はグートミューティヒの言葉の意味に気付かずに偉そうな事を言う。
「良いんだぜ。もう直ぐ勇者マドノ越えをする俺達の恋人になっても、よ!」
「おおぉーーーーー!」
この言葉に怒りが頂点に達したグートミューティヒは、モンスターボールからピチューを出してしまった。
「ピチュー!そいつらを倒せ!ツツケラの仇だ」
数の暴力を駆使して1匹のツツケラを虐殺して得意げになっていた連中も、グートミューティヒの予想外の行動に少し驚く。
「な!?……モンスターを飼ってる……だと?」
「何考えてるんだ?」
だが、無抵抗なツツケラを虐殺した事で自信過剰になっている連中は直ぐに臨戦態勢となる。
「落ち着け!さっきのモンスターだって楽勝だったじゃねぇか!こいつも楽勝だぜ!」
「お……おう!」
「そ……そうだな!」
しかし、肝心のピチューが突然光ったので連中は驚き、グートミューティヒも予想外だった。
「どうしたピチュー!?何が遭った!?」
そして、眩しい光が終息すると、ピチューがいた筈の場所に別のポケモンがいた。
「ピカピッカ」
「ピチュー?……もしかして、進化したのか?」
確かに、グートミューティヒは成長したポケモンは進化して別の姿になるとは聴いていたが、まさか今だとは思っていなかった。
「
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