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ーミー》それも二丁だ。アメリカの銃だ。古き良き銃だ。
「貴様は間違っている!それでは世界に戦争を広げるだけだ!沢山の弱者が死ぬ!アメリカはそれを許容しない!」
相手は銃を撃つが俺はステージの床を足で蹴り上げて銃弾を防ぐ、そして、そのままジグザグに前転するように近付き、タックルをキメる。
「だが、お前も暴力で俺を変えようとした…またお前も俺の仲間だ…。アメリカは死んでいなかった…アメリカは生きていた…戦いは終わらない。アメリカ人の心の中にアメリカンスピリッツが生きている限り!俺を殺したければ着いてこい!いくらでも俺の背中を狙えるぞ。アメリカはそうやって敵すらも内に秘めてきた。お前もまたアメリカだ。気に食わねぇ俺をぶっ倒すぐらい強くなれ!それが俺の政策だ!」
暗殺者を立ち上がらせてホコリを払うと外套で見えなかった顔があらわになる。なんだ、少女じゃないか。
「握手と行こうぜ兄妹。俺はアメリカを変える。変革をもたらす、お前も俺を殺したいなら自己変革をしろ!それもアメリカだ。お互いのアメリカのぶつかり合いの先にアメリカは開かれる…強いほうがまたより良いアメリカを作り上げる。いわば同志だよ。このアメリカを変える。」
俺は葉巻を出して落ちた金属片と金属片を思い切り擦り合わせて火を点ける。ハバナやニカラグア、ドミニカ、キューバ色々な国の味と香りがする。だからこそアメリカに相応しい。葉巻会社もアメリカに作らねばならないと固く誓った。
「私はそんなことを良いとはいってない!貴様が勝手に言ってるだけだろ!」
少女が叫ぶのに背中で答える。ただそれだけだ。群衆たちは一斉にアメリカ国歌を歌っている。葉巻の余韻とアメリカ国歌の余韻はバーボンと南部のジャーキーぐらい合うものだ。
「否定したければ俺をぶん殴れば良い。ただそれだけだ。」
俺は会場まで乗ってきた馬に乗り、ここを後にする。時には車よりも馬が良いときもある、バイクが良いときもある…アメリカの偉大な発明の車が良いときもある…。今日は馬が良いときだ。ケンタッキー州の農場で買った馬を駆り、事務所に戻ることにする。俺はイージーゴアよりサンデーサイレンスのほうがアメリカに相応しいだろうなとふと思いながら傷だらけの英雄より血統の正しさを主張する奴らにはわからないだろうなと高笑いをした。
スーツからスキットルを出すとバーボンを飲み干した。
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