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帝国兵となってしまった。
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 「進め!」
 故に兵は拙速を聞く、未だ功の久しきを覩ざるなり。我々の軍団はトラックや戦車、足りない分は帝国内のタクシーまで支給された。その速度は確たるもので、ベルンカステルの街を抜け、ビルクブルグを抜けていく。ベルンカステルなんて名前は不吉だな紙を畳む魔女がいそうだ。まぁ、あんまり関係はないが補給は素早くハーフトラックがかなり居る。石油の補給も減ればすぐの至れり尽くせりである。特にこの数日、フランソワ軍を見ないのは不気味ではあるが、ベルンを目指すしかないだろう。ダンケルクが落ちた今、彼らの勝機はそれしかない。こちらが果てるのが先か、フランソワが果てるのが先かの早指しだ。だからこそ、フランソワは急いでいる。

 だから気づかない。首都機能はボンに移転されてることを。副首都機能分散による副首都計画により、首都を皇帝陛下が動けば大体は終わるように準備されていたのだ。誰がやったかは知らないが謎の論文の構想を元に仕掛けられた保険が効いているのだろう。だが、ベルンを陥落されたら士気に与える影響を合理的なバーグマンや帝国陸軍参謀本部は加味しない。典型的な職業軍人に市民はわからない。希望を掌で掬いたいと思っている農民や労働者の気持ちがわからない。首都機能が移ってようが首都ですら落ちたのだからフランソワに協力しようとする卑しい気持ちがわからないのだ。

 その裏を行くのがこの俺の7個師団で、野原をかけるムスタングのごとく、アルデンヌ高地を越えてアントウォーペンを目指せという話らしい。フランソワ軍は知っているかはわからないが、あのダンケルクという集積地を強襲後にバークマンが歩兵と騎馬兵力による電撃戦により、5個師団でガレー港を占領したとのこと。

 これにより、フランソワ軍100個師団相当の将兵という大量の需要が発生している供給体制を維持するには、船と鉄道が必須。海路による補給は南東のレハーベレ港かさらなる東のノーマンコタン半島からの輸送、またはブレスト港からの補給しか無くなった。アントウォーペンはまた鉄道の要衝でもある。こうなるのを見越してかアントウォーペンのインフラには何一つ傷をつけなかった陸軍参謀本部が優秀なのだろう。型に嵌まれば強いが型に嵌まらなかったら柔軟性がない体質はどこまで治るのだろうか?

 そして、海は当然だが、帝国海軍の潜水艦隊がフランソワの補給艦隊を撃破をせんと国民の麦の献身による建造で得た400隻のUボートで、補給線の海中から狙う、フカのように待ち構えている群狼だ。

 フランソワの海上戦力については帝国の最新艦である空母グラーフ・ツェッペリン、戦艦シャルンホルスト、戦艦ビスマルク(皇帝は命名について常に渋い顔をしていたらしい)を要する帝国最新艦隊がイールを出て、帝国領ノルデン沖海で決戦となったらしい。待ち伏せをしていたフラン
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