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帝国兵となってしまった。
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長い撤退線だ。

 このフランソワ軍の侵攻とレガドニア軍の越境を元に帝国は帝国兵と国民の麦が撮影した映像や写真を論拠に両国の宣戦布告なしの戦争を公表、そして、同時に世界中の帝国大使館で批判文を記者会見を開き公表、特にレガドニア軍のたまたま国境地帯で運行していた運搬車に対する攻撃や略奪をやり玉に上げて批判文が作られ、たまたま合州国にいた国民の麦党代表兼特別帝国広報大臣のオーデンハウゼンが合州国中のメディアを集めて、国民の麦の労働者の妻子の悲痛な文章などを農村部を中心にビラをロケット砲に入れてばら撒いたらしい。

 また合州国帝国系市民協会には帝国の領土が侵略されたセンセーショナルなリーフレットを頒布し、合州国内の地方議会で夫を殺された可哀想な妻子や子供を殺された老夫婦たちを演説させる予定だそうで合州国帝国系人からも志願兵を集めており、今回の件で白眼視されつつあるレガドニア系やフランソワ系合州国人にも人を許して罪を許さず、全員に特別広報大臣として免罪を行い、現地の教会などにも侵略してきた2カ国を許し給えと祈りを捧げる姿に合州国のマスコミが食いついているようだ。合州国のマッカーシー将軍とパルトン将軍と懇意にしているとの噂もあった。

 「しかし、市民達とライン川まで撤退とは。」
 まぁ、四ヶ月半で総距離2100キロあまり。しかし、これでターニャ・デグレチャフが世に出ると思えば俺はやっと降りれると安堵するのだった。シュトックガルドまで市民を連れた帝国史上最も長い撤退戦だ。凱旋とばかりに受けるが、フランソワ軍にかなりの土地を占領された。北部はレガドニア軍にイール軍港近くまでに進軍、最前線がイールを最北にハルブルク、ハローファー、ケッセル、フランクケルト、最南端はカールズリンゲンだ。

 「やっと寝れるな。」
 と横になった途端に参謀本部から暗号が入ったらしい。副官が飛んできた。

 「少将!」
 寝ようとする邪魔をするんじゃないよ!何なんだ?

 「何だと言うんだ?」
 嫌な予感がする。休めなくなりそうな予感が。俺はこれが終わったら軍を辞めるんだよ。

 「陸軍参謀部によるとダンケルクに民間船も含めた帝国が持つ全ての艦艇にて35個師団を上陸させました!フランソワ占領軍が退こうとしたところ、100キロ近くを爆破しました!ダンケルクの35個師団と共に南部にいる帝国軍総員に攻撃命令が下るのではないでしょうか?ダンケルクの司令官はバークマン将軍のようです。こちらを。」
 現状、史上最大の上陸作戦の成功に副官は興奮している様子で、手紙の封筒を渡してくる。上質紙にこれだけ。命令書簡だなと確認できるし、実際に今週、渡されていたものだ。

 「時間確認、時計を合わせよ。壁掛け時計もだ。それで14:40に合わせよ。出来たら知らせてくれ。」
 
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