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きる。静寂な世界にお互いの握りだけが現実だと教えてくれている。奴は蜻蛉、つまりは前に進んで後退しないのを表している。それほどまでに不退転を決めた構え。一方俺は右上段袈裟構え、タイ捨流でよく見る構えしかし、奴ほど体を捨てれるかは未知数。
誰かになろうとしていた男が誰にもなれなくて最後に自分という存在を見つけ出した後の蜻蛉構え。それ以上の構えから叩き出せる覚悟の力はない。奴は食らうのを前提に構えている。片や俺はそれを知ってそんな構えをしているだけに過ぎない。気迫は奴の方が上、しかし、実戦経験と白兵戦の経験は俺のほうが上。奴には存在Xがいるのだろうか?いや、居ないだろう。人の意思でしか人は本当に強くなれないのだから奴は存在Xを知らない。
彼にそれは失礼だ。あの様に構えられる彼には存在Xなどは何ら意味をなさない。
少し切っ先を揺らして誘ってみるも猿叫は来ない。なんで俺は帝都の上で猿叫からの太刀筋を求めるという字面だけ見たら魔界転生・大正編やら帝都物語〜もう一つの剣豪物語〜の始まりのような事になっているのだろうか?
お互いに動けぬままに夜明けが近づくのを感じていた。そして、他の魔導師の気配も遠くに感じる。
「決着はつかずか。そうじゃないよな。私は俺はそうならこれだけは見ていたい!夢は……キェェェェェイ!」
突如としての猿叫、そして一気に近づき一撃を与える動き。避け続ければバークマンの部下たちがやってきてコイツらは拘束されるのだろう。戦わなくてもいいが、一人の男が自らの人生をかけて構えたのならば切り合わなければ失礼というものだ。薩摩の刀は初撃は貰うなと言われるがならばこちらも薩摩隼人になった気持ちで右上段袈裟斬りを繰り出すのに集中する。
「キェェェェェイ!!ウェェェェェェ!」
こちらも加速して一撃を食らわせるために動く!迎え三次元立体薩摩猿叫だ!!空中の加速を利用すれば一回転からの真っ向切りも袈裟斬りも容易い。加速で互いの猿叫の声も加速する。切ってから考えるのがこちらの良さだ!
加速する猿叫がぶつかり合う時にガキンと金属が叩き合う。火花が散るしかしお互いに距離は取らない。何故ならばこの構えには防御がない。即ち全ての太刀が一の太刀、死ぬまで打ち続けるしかない。これが攻撃は最大の防御薩摩のイージスの盾。
「キャッェェェ!キェェェ!ウャャャャャ!」
何度も叩き込まれる上段斬り。こちらも上段袈裟斬りで弾き返す。三次元相互猿叫立体共鳴火花散る金属音弾ける切り合いが花火にも似た景色を作り出す。お互いに位置エネルギーや加速を使いながら空で使える速度の太刀を猿叫と共に打ち出す。生み出された猿叫の一撃一撃が体を震わせるような衝撃を生み出す。これが侍というものなのだろうか。多分違う、立体的な太刀筋と振るうたびに猿叫
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