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帝国兵となってしまった。
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 突然の理由のわからない長文怪文書リプみたいな真似をしてきたアイツはおかしくなってるのは間違いないが俺の現実がおかしな奴らに侵略されてるのもまた事実。この世はおかしなことで出来ている。おかしなことがおかしなことを呼び込む奇妙な旅なのかもしれない。が、いきなり名前も名乗らずに怪文書ぶつけてくるとか恐怖新聞と変わらないだろ。

 「何をしようがお前はお前だ。それ以上でもそれ以下でもない。魚が鳥になれないように鳥も魚になれない。大海と大空どちらも広く、お互いにそちらの方が良いと羨ましがるかも知れないが、事実上はどちらも広く厳しい世界だ。憧れは理解から最も遠いと言われるが、理想の国も現実から一番遠い。アヴァロンがなぜ滅びたのかを考えれば理想の騎士たちが権力争いで殺し合ったからだ。理想は綺麗だからこそ汚く、現実は汚いからこそ綺麗だ。その差は変わらない。理想と現実を併せ呑む事ができないとどちらかに潰されて世捨て人になるだけだぞ。誰にならなくても、誰かになりたくても、誰かわからなくてもお前はお前だ。それが変わらないことだろ?変わらないことは変わらない。変わるべきものと変わらないものがないと世の中はよりおかしくなるぞ。この世を嗤い続ける男が出てくる。」
 相手の士官はサーベルに手をかける。頭の近くに構える上段の防御を無視したあの構えは……薬丸自顕流か薩摩示現流のような蜻蛉構え!?なんで帝国で薩摩の一の太刀!?何だあの最上位段の構えは!!迷いを捨てて命を捨てるのならば肉を切らせて骨を断つ薩摩剣術の威力があるかもしれない。帝都上空で帝国人が薩摩構えとか頭がおかしすぎる!とするとやつは猿叫をする!魔導師の加速力と速度から打たれる一の太刀はその威力は灯籠をも切るかもしれない。つまり、薩摩示現流、薬丸自顕流の最終境地。魔導刃で防殻が破られなかったとしても衝撃はどうしょうもない。故に相手は切られてでもこちらに衝撃を与えれば頭に当たれば脳挫傷か脳震盪、肩に当たれば鎖骨骨折、避ければ返す剣で逆真っ向や逆袈裟、横に逃げても太刀を入れられる覚悟ならこちらに何とでもしてくるだろう。

 サーベルをこちらも構える。迷いを捨てる……多くの剣豪や武人は迷いを捨てるために土を耕してきた。文化は耕すこと。すなわち、剣術も武術も全ては耕すことから始まっているのかもしれない。とするならば鍬を使う動作にも似た蜻蛉構えは正しいのだろう。農民は一日に何度も鍬を振るのだから。

 こちらも迷いを捨てるより他にはない。お互いに空中で構える。相手は蜻蛉構え、こちらは右上段に構えた袈裟構え。お互いに一撃を食らわせるのを目的の構え。

 帝都上空に二人の軍人……いや、男が上段の構えで対峙する。いくら時間が流れたのか一瞬だったかもしれない数時間だったかもしれない。お互いに肌に汗が滲み滴るのが分かる理解がで
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